市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):アドテスト、鉄建建設、三菱UFJ

アドテスト <日足> 「株探」多機能チャートより
■アドバンテスト <6857>  2,153円  +52 円 (+2.5%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>が6連騰。また、東京エレクトロン<8035>も6連騰で1万2700円台が目前、こちらは今月4日に1万2780円の新高値をつけているが、3週間ぶりの高値奪回を指呼の間に捉えている。ビッグデータの本格的な普及やIoT市場の拡大、新興国で加速するスマートフォンのハイエンド化、自動運転車に向けて日進月歩する自動車のエレクトロニクス武装など、産業のパラダイム変化を背景として、半導体はこれまでのシリコンサイクルから脱却した高水準の需要が顕在化している。そのなか、メモリーではNAND型の供給不足の状況が続いている状況で、製造装置メーカーの収益成長シナリオが再度現実味を帯びてきた。特に、「メモリー向けでは東エレクが得意とするエッチング装置分野や、アドバンテの土俵である検査装置分野の需要拡大が顕著となっている」(市場関係者)ことが指摘されている。

■鉄建 <1815>  320円  +7 円 (+2.2%)  本日終値
 鉄建<1815>が上伸。24日の取引終了後、集計中の17年3月期連結業績について、売上高が従来予想の1640億円から1650億円(前の期比3.6%減)へ、営業利益が56億円から61億円(同3.4倍)へ、最終利益が32億円から39億9000万円(同3.1倍)へ上振れたようだと発表しており、これを好感した買いが入っている。手持ち工事の施工高が予想を上回ったことに加えて、土木工事および建築工事の利益率が向上したことが上振れの要因。また、業績予想に伴い、従来3円を予定していた期末一括配当を2円増額して5円にするとあわせて発表している。

■三菱UFJ <8306>  703.1円  +15.1 円 (+2.2%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクは売り物をこなし買い優勢の展開となっている。前日の欧米株市場では仏大統領選第1回投票の結果を受けてリスク選好ムードが一気に高まり大幅高となったが、リスクオンを映した世界的な長期債利回り上昇が刺激材料となり、金融株の上昇が際立った。米国では10年債利回りが2.27%まで上昇、これを背景に、シティグループやゴールドマン・サックスの株価はいずれも3%近い上昇をみせたほか、JPモルガンは3.5%を超える上昇と物色人気を集めた。この流れが東京市場にも波及している。もっとも、三井住友とみずほは前日まで5日続伸、三菱UFJも3日続伸とここ連日下値を切り上げてきただけに、足もとは利益確定売りも観測され上値は重くなっている。

■商船三井 <9104>  338円  +7 円 (+2.1%)  本日終値
 商船三井<9104>が3日続伸。底値もみ合いから徐々に浮上の気配を強めている。大手海運株は鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数との株価連動性が高いが、同指数は前週から下落基調にあり上値抑えの要因となっていた。しかし、市場では今後の海運市況回復や個別の経営改革効果を読む動きが出始めている。東海東京調査センターでは24日付で同社株のレーティングを新規に「アウトパフォーム」でカバレッジ、目標株価を410円としている。18年3月期以降の業績は、海運市況の改善や構造改革効果に伴い拡大局面に入るとみているほか、バリュエーション面でもまだ拡大の余地があるとみている。目標株価は、ドライバルク船の市況が回復局面にあった2013年度の期中平均PBR0.88倍を適用したとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,342円  +168 円 (+2.1%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が6日続伸。昨年11月以降のトランプ相場では東京株式市場でメガバンクとともにシンボルストックとして買われた経緯があるが、ここ最近はトランプ政権が打ち出す政策への懐疑的な見方を映して上値の重い展開を続けていた。しかし直近では、トランプ米大統領が26日に具体的な減税政策の発表を行うことを表明、前日の米国株市場ではNYダウが200ドル超の急上昇をみせたこともあって、“トランプ相場復活”のムードが漂っている。これが東京市場でも同社株を買い直す動きにつながっている。また、SMBC日興証券が24日付で同社株のレーティングを「1」継続で目標株価を9700円から1万200円に引き上げており、これも株価を刺激している。18年3月期は同社がグローバルでICT・テクノロジー分野のリーダーとして成長することが期待されるとし、同社の株価が再び上昇する時期に差し掛かっているとの見方を示している。

■パナソニック <6752>  1,334.5円  +26.5 円 (+2.0%)  本日終値
 パナソニック<6752>が連日の新高値。同社は今18年3月期以降、先行投資してきたリチウムイオン電池など車載関連事業や生活家電などの事業が寄与し、業績拡大局面を迎えるとの期待が膨らんでいる。特に、今年1月に米電気自動車(EV)メーカー、テスラと共同運営する米ネバダ州の工場「ギガファクトリー」で車載用リチウムイオン電池の量産を開始。米ナスダック市場でテスラ株が上場来高値圏で上昇していることもパナソニックへの連想買いにつながっている様子だ。

■マツダ <7261>  1,578円  +27.5 円 (+1.8%)  本日終値
 マツダ<7261>は朝安後プラス圏に浮上。為替相場が前日の夕方に比べ円高水準に振れたことが懸念要因となったが、下値には買いが流入し、値を上げてきている。マツダの18年3月期業績に関して25日付の日本経済新聞は、「営業利益が1500億円程度と前期の推定額に比べ15%ほど増えそうだ」と報じた。利益率の高い多目的スポーツ車(SUV)の販売台数を増やして増益を確保する、という。同社は28日に17年3月期の決算発表を予定しており、その結果が注目されている。

■JSR <4185>  1,962円  +29 円 (+1.5%)  本日終値
 JSR<4185>は6日続伸。24日の取引終了後に発表した17年3月期決算が、売上高3905億9900万円(前の期比1.0%増)、営業利益323億7000万円(同5.9%減)、純利益300億7800万円(同25.0%増)となり、従来予想の営業利益260億円を上回ったことが好感されている。想定よりも円安で推移したことに加えて、エストラマー事業が年度後半にかけての市況回復と拡販努力で下期に収益が大幅向上したことが寄与した。また、半導体材料事業は先端材料の販売が順調に拡大し、ディスプレー材料事業は成長市場である中国での販売を伸ばしたとしている。18年3月期は、売上高4050億円、営業利益350億円、純利益265億円を見込む。今期から国際財務報告基準(IFRS)に変更するため前期との比較はないが、石油化学系事業ではタイ子会社の本稼働のもと、市況回復に伴う売買スプレッドの安定確保と拡販を推進するほか、半導体材料事業では先端プロセスでの採用拡大、ディスプレー材料では中国でのシェア拡大を進めるとしている。

■大成建設 <1801>  843円  +8 円 (+1.0%)  本日終値
 大成建設 <1801> が4日続伸し、約3ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。同社は24日後場に17年3月期の連結経常利益を従来予想の1090億円→1445億円に32.6%上方修正。従来の7.4%減益予想から一転して22.8%増益を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが引き続き買い材料視された。建設事業の工事採算が好転したことに加え、昨年11月以降の円安進行による為替差損益の改善などが利益を押し上げた。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均