【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):任天堂、マツダ、日本郵政
任天堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
任天堂<7974>が続伸。「ニンテンドースイッチ」の好調な販売動向を評価する見直し買いが続いている。仏大統領選第1回投票の結果を受けて、為替が対ユーロ、対ドルともに目先円安に振れていることもプラスとみられているようだ。市場では「これまで日経平均など全体指数との株価連動性の低い銘柄で、機関投資家が改めて組み入れている感じはしないが、一部個人投資家の短期売買の対象として注目されている。売買代金ランキングは東証1部トップが指定席になっており、トヨタなどの主力株を買いにくい地合いを反映している部分もありそうだ」(準大手証券)と指摘されていた。
■マツダ <7261> 1,550.5円 +13.5 円 (+0.9%) 本日終値
欧州関連株が高い。欧州向け比率が高いマツダ<7261>やセイコーエプソン<6724>、コニカミノルタ<4902>といった銘柄が買われた。23日に実施されたフランス大統領選の第1回投票の結果、中道系独立候補のマクロン氏と極右国民戦線のルペン氏が決戦投票に進む見通しとなった。5月の第2回投票ではマクロン氏が優勢とみられ、欧州政治リスクの後退に伴う、リスクオン姿勢が活発化。ユーロは前週末の1ユーロ=1.072ドル前後の水準が、この日は一時1.089ドルへ急伸した。これを受け、欧州関連株には買いが膨らんだ。
■日本郵政 <6178> 1,345円 +10 円 (+0.8%) 本日終値
日本郵政<6178>は、前週末終値近辺で一進一退。経営不振に陥っている傘下のオーストラリア物流大手「トール・ホールディングス」に関し、最大4000億円規模の損失を計上する見通しであることが報じられているが、市場には「ネガティブな材料だが、影響は一時的」との声も出ている。日本郵政の純資産は15兆円規模あり、経営の屋台骨が揺らぐほどではない、との見方がある。同社は5月15日に17年3月期の決算発表を予定しており、その内容が市場の関心を集めている。早ければ、今夏にも見込まれている第2次株式売り出しへ影響が出てくるかどうかも注目されている。
■トヨタ自動車 <7203> 5,887円 +32 円 (+0.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が軒並み高。仏大統領選の第1回投票が終わり、中道・独立系のマクロン氏と、極右政党・国民戦線のルペン氏の決戦投票という大方の想定通りのシナリオに進んだことを受けて、不透明感が後退しユーロが対ドルで上昇。これがドル円相場でもドル買い円売りの動きに波及した。1ドル=110円台に入る円安に振れたことを受けて、為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算の改善期待から物色資金を集めた。
■ディー・エヌ・エー <2432> 2,387円 +10 円 (+0.4%) 本日終値
ディー・エヌ・エー<2432>が3日ぶりに反発。この日、横浜市と自動運転社会を見据えた新しい地域交通のあり方を検討する「無人運転サービス・AIを用いた地域交通課題解決プロジェクト」を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。同プロジェクトは、高齢化やニュータウンの老朽化などで交通弱者の増加が予測される地域交通の課題を、無人運転や人工知能(AI)などの先端技術の活用によって中長期的に解決することを目的としたもの。まずは横浜市内で自動運転車を用いたデモンストレーションや実証実験を進めつつ、私有地などにおける実用化を目指すほか、地域の交通を担っている事業者とも連携を深めつつ、効率的な地域交通のあり方について研究を進めるとしている。なお、この最初の取り組みとして、ディーエヌエーの自動運転バス「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」の一般向け試乗イベントを27~28日、金沢動物園(横浜市金沢区)で実施するとしている。
■ジーエヌアイグループ <2160> 507円 -100 円 (-16.5%) ストップ安 本日終値
ジーエヌアイグループ<2160>がストップ安。前週末21日の取引終了後、モルガン・スタンレーMUFG証券(東京都千代田区)を割当先として、行使価額修正条項および行使許可条項付き新株予約権を発行すると発表しており、将来的な株主価値の希薄化や需給悪化などを警戒した売りが出ているようだ。今回発行する新株予約権は、2万個(潜在株数2000万株)で、当初行使価額は679円。調達資金135億8458万円は、4月18日に買収を発表した米バークレイ・アドバンスド・バイオマテリアル(BAB、カリフォルニア州)株の取得費用や、F351の研究開発費用などに当てる方針だという。
■サンデンHD <6444> 317円 -29 円 (-8.4%) 本日終値 東証1部 下落率3位
21日、サンデンホールディングス <6444> が17年3月期の連結最終損益を従来予想の108億円の赤字→230億円の赤字に下方修正。赤字幅が拡大する見通しとなったことが売り材料視された。国内での流通システム事業の販売減少や、海外での自動車機器事業の部品内製化投資の立ち上げの遅れなどが響いた。また、為替変動による影響、構造改革の実施に伴う費用を特別損失を計上したことも利益を圧迫した。
■東京製鐵 <5423> 811円 -50 円 (-5.8%) 本日終値 東証1部 下落率5位
SMBC日興証券では電炉業界についてのリポートを21日付で発表している。建築着工統計は堅調な推移が続いているが、H形鋼、棒鋼など建設用鋼材の出荷は横ばい圏の動きが続いており、建築の受注は増加しているが、人手不足の影響で工事の進捗が遅れている可能性があるとしている。熱延コイルなど薄板に関しては、高級品を中心に競合の高炉業界に生産余力がなく、需給は良好な状況が続いているとするが、中国を起点に薄板の国際市況は軟化しており、時間を置いて日本にも悪影響が波及するリスクがあることを指摘している。東京製鉄<5423>の前週末21日の決算から業界全体の先行きを予測している。同社の第4四半期決算を受けて、鉄屑の上昇に対して鋼材価格の値上げが遅れていること、電力、合金、電極などの費用が増加していること、建築着工など需要は回復傾向にあるものの、建設用鋼材の需要増には至っていないなどの事実が確認されたとしている。特に棒鋼専業企業の決算は価格競争などで厳しい環境にあると指摘している。
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●ストップ高銘柄
細谷火工 <4274> 1,068円 +150 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
JMACS <5817> 713円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
以上、2銘柄
●ストップ安銘柄
ぷらっとホーム <6836> 3,150円 -700 円 (-18.2%) ストップ安 本日終値
大興電子通信 <8023> 399円 -80 円 (-16.7%) ストップ安 本日終値
旅工房 <6548> 4,295円 -700 円 (-14.0%) ストップ安 本日終値
など、4銘柄
株探ニュース