【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):パナホーム、新光電工、ファストリ
パナホーム <日足> 「株探」多機能チャートより
21日、パナホーム <1924> に対して親会社のパナソニック <6752> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が前日終値を16.4%上回る1株1200円とあって、本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は4月28日から6月13日まで。
■新光電気工業 <6967> 786円 +68 円 (+9.5%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
21日、新光電気工業 <6967> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の17億円→34億円に2.0倍上方修正。減益率が83.2%減→66.5%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。フリップチップパッケージの高付加価値品や半導体製造装置用セラミック静電チャックが伸びたことが寄与。円安による採算改善や為替差益の増加も大きく利益を押し上げた。
■JVCケンウッド <6632> 293円 +22 円 (+8.1%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
21日、JVCケンウッド <6632> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の25億円→35億円に40.0%上方修正。増益率が93.6%増→2.7倍に拡大する見通しとなった。オートモーティブ分野の自動車ディーラー向けOEM製品、メディアサービス分野でCDやDVDなどの販売が伸びたことが上振れに貢献した。
■日本紙パルプ商事 <8032> 384円 +22 円 (+6.1%) 本日終値
SMBC日興証券が21日付で日本紙パルプ商事 <8032> の投資判断を「2(中立)」を継続し、目標株価を350円→380円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、海外子会社の利益改善や家庭紙の新工場の収益性向上、バイオマス発電による売電事業の新規寄与などで17年3月期は会社計画を上回る増益になると予想。18年3月期以降も事業構造の転換施策のもと、海外紙商の買収効果や発電・売電事業の利益貢献などで増益が続くと報告している。
■三和ホールディングス <5929> 1,085円 +45 円 (+4.3%) 本日終値
三和ホールディングス<5929>が大幅3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が21日付で投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1100円から1300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、住宅・非住宅向けのシャッター、ドアのトップ企業である同社の事業ファンダメンタルズは、日米欧のいずれの地域でも堅調であり、これを背景に、中期的な利益成長、配当性向35%と機動的な自社株買いによる株主還元が期待できる点を評価。また営業利益成長率については、17年3月期が7.9%増、18年3月期が11.0%増、19年3月期11.2%増と加速を予想している。
■ファーストリテイリング <9983> 36,410円 +1,300 円 (+3.7%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が大幅高。仏大統領選の第1回投開票の結果は大方の想定通り、5月7日に中道・独立系のマクロン氏と、極右政党・国民戦線のルペン氏の決戦投票が行われるという形となった。マクロン氏が勝つ可能性が高いとみられており、これを受け日経平均先物などに海外ヘッジファンドとみられる空売りの買い戻しを誘導した。先物主導の裁定買いが入るなかで、日経平均寄与率の高い同社株は、インデックス買いによる株価浮揚効果が発現している。
■四国化成工業 <4099> 1,252円 +43 円 (+3.6%) 本日終値
四国化成工業<4099>は6日続伸。同社は17日、17年3月期の連結経常利益を従来予想の66億円(前の期比19.5%減)から82億9000万円(同1.1%増)に上方修正した。従来の前の期比19.5%減益予想から一転して1.1%増益を見込みとなり、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。 想定以上の円安進行で化学品事業の輸出採算が改善したことに加え、建材事業でのコスト削減進展などが利益を押し上げた。さらに、18年3月期は、主力製品の自動車タイヤ向け原料である不溶性硫黄の製造プラントの30%程度の設備増強が3月末までに完成し、今年10月からの本格稼働が見込まれていることから、下期を中心に収益寄与への期待が高まっている。 株価は、3月28日に1282円の年初来高値をつけて以降、全体相場の軟調推移もあり調整局面となっていたが、業績上方修正をきっかけに反転上昇軌道を鮮明にしている。PERは依然として12倍台と割安水準にある。
■シーイーシー <9692> 2,041円 +64 円 (+3.2%) 本日終値
シーイーシー<9692>に注目したい。同社は独立系のシステムインテグレーター。メーカーの壁を超えてシステムをつなぐことに強みを持ち、特に生産効率の高いスマート工場(考える工場)分野で先行している。18年1月期の連結営業利益は前期比13%増の37億5000万円と2ケタ増益予想。配当も前期比5円増の40円を計画している。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)分野でも高い実績がある。市場では19年1月の営業利益は今期推定比12%増の42億円との予想も出ている。株価は今月2200円台まで買われた後、調整局面にあるが、スマート工場関連としての人気は高い。
■DTS <9682> 2,821円 +78 円 (+2.8%) 本日終値
21日、DTS <9682> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の71億円→80.5億円に13.4%上方修正。従来の7.9%減益予想から一転して4.5%増益を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。販売管理ソリューションや生命保険向けシステム開発の受注が伸びたうえ、銀行向け大規模システム統合案件のピークアウトの影響が想定を下回ったことが寄与した。業績上振れに伴い、前期の年間配当を従来計画の60円→70円(前の期は60円)に増額修正した。前日終値ベースの予想PERが14.0倍→12.4倍に低下し、割安感が強まったことも支援材料となった。
株探ニュース