【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):サカタタネ、4℃ホールデ、ニトリ
サカタタネ <日足> 「株探」多機能チャートより
サカタのタネ<1377>が悪地合いの間隙を縫って続伸、25日移動平均線を足場に切り返しに転じている。中国向けニンジン種子や北米向けブロッコリーの種子など海外での種子販売が好調で、17年5月期第3四半期累計の営業利益は前年同期比15.7%増の76億4700万円と大幅な伸びをみせ、通期計画を既に超過した状態にある。市場では「会社側の70億円予想は85億円前後まで大幅に上振れる可能性がある」(国内中堅証券)という見方も出ており、増額修正を先取りする買いを誘導している。
■4℃ホールデ <8008> 2,652円 +31 円 (+1.2%) 本日終値
4℃ホールディングス<8008>は波乱地合いのなかで、4日続伸と強さを発揮。同社は宝飾ブランド「4℃」を展開するほか、カジュアル、実用衣料なども積極展開する。18年2月期の連結売上高は510億円(前期比2.4%増)、最終利益は55億5000万円(同11.8%増)と2ケタ増益を見込むなど業績は成長路線を走っており、PERも12倍台と低く、海外市場や為替の影響を受けにくい内需成長株として上値余地に着目した買いが続いている。
■しまむら <8227> 15,590円 +110 円 (+0.7%) 本日終値
しまむら<8227>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11日付のリポートで、レーティング「ニュートラル」を継続し、目標株価を1万5100円から1万5700円へ引き上げたことが好感された。17年2月期は、新商品戦略などを通じた収益性改善が利益成長のドライバーになったとし、暖冬や2000店舗達成記念セールの反動を吸収した。18年2月期は収益性改善を持続しつつ増収ピッチ加速につなげられるかがカギになると指摘し、通期営業利益予想を499億円から517億円へ、19年2月期は同506億円から534億円へ引き上げている。
■ニトリホールディングス <9843> 15,080円 +80 円 (+0.5%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は11日、同社株の目標株価を1万3700円から1万4600円に引き上げた。レーティングは「ニュートラル」を継続した。同社の17年2月期は30期連続増収増益となった。18年2月期の予想連結営業利益は前期比15%増の990億円を見込んでいるが、同証券では同18%増の1012億円と予想。今期は1ドル4円程度の円高のレートで為替予約されており、収益の下支えが期待できる。また、来期以降の成長に向けた収益ドライバーとして「新商品投入」「都市部展開」「小型フォーマット戦略」「海外事業」などを挙げており、今期はこれら収益ドライバー作りがテーマになる、とみている。
■SPDR <1326> 13,290円 +50 円 (+0.4%) 本日終値
金価格連動型のETF(上場投信)が高い。SPDRゴールド・シェア<1326>やETFS 金上場投資信託<1672>、純金上場信託(現物国内保管型)<1540>などが値を上げた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物価格は11日、6月物が前日比20.3ドル高の1トロイオンス1274.2ドルと上昇。北朝鮮やシリア情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりを背景に安全資産とされる金に見直し買いが流入。これを受け、金価格に連動する金ETFが値を上げている。
■竹内製作所 <6432> 1,810円 -288 円 (-13.7%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
竹内製作所 <6432> が急落し年初来安値を更新した。同社は11日大引け後に決算を発表。18年2月期の連結営業利益は前期比12.7%減の117億円に落ち込む見通しとなった。市場予想の165億円前後を大きく下回ったことで失望売りが殺到した。今期は建機需要が回復に向かっている米国向けの販売増加を見込むものの、鋼材を中心とした原材料や海上輸送コストの高騰に加え、ポンド・ユーロ安の影響が利益を圧迫する要因となるとしている。
■岡村製作所 <7994> 913円 -118 円 (-11.5%) 本日終値 東証1部 下落率3位
11日、岡村製作所 <7994> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の147億円→117億円に20.4%下方修正。従来予想の8.2%増益から一転して13.9%減益見通しとなったことが売り材料視された。主力のオフィス環境事業、商環境事業ともに売上が計画を下回ったことが響いた。生産性向上やコストダウンを進めたが売上減少をカバーできなかった。
■エービーシー・マート <2670> 6,240円 -270 円 (-4.2%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>が4日ぶり急反落、同社が11日取引終了後に発表した18年2月期の連結業績予想では、売上高が2540億円(前期比6.3%増)、営業利益は425億円(同1.5%増)、最終利益は287億3000万円(同1.3%増)を見込んでいる。最終利益は5期連続の最高益更新となる。好採算のPB(プライベートブランド)の婦人靴などが収益を牽引し増収を確保、コスト増をこなして増益も確保する見通し。ただ、伸び率は事前の市場コンセンサスを下回っており、成長鈍化への懸念から大きく売りが優勢となった。
■トヨタ自動車 <7203> 5,798円 -112 円 (-1.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>など自動車株に売りが先行。地政学的リスクなどを背景に米国では安全資産である債券に資金が流れ、米10年債利回りは2.29%と2.3%台を割り込んできた。これを受けて為替市場ではドル売りの動きが強まり、1ドル=109円台後半の推移とドル安・円高が進行、これを受けて輸出採算の悪化懸念から為替感応度の高い自動車株には売りが優勢となった。
株探ニュース