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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

クリエイトS <日足> 「株探」多機能チャートより

■クリエイトSDホールディングス <3148>  2,540円 (-157円、-5.8%)

 クリエイトSDホールディングス <3148> が大幅反落。3日の取引終了後に発表した第3四半期累計(16年6月-17年2月)連結決算は、売上高1825億8700万円(前年同期比6.5%増)、営業利益105億9800万円(同1.6%増)、純利益73億4700万円(同5.9%増)と増収増益で着地したが、16年12月-17年2月期では、営業利益が同5.3%減となっており、足もとの業績悪化を警戒した売りが出たようだ。主力のドラッグストア事業で、品ぞろえの拡充や購入頻度の高い商品のEDLP(エブリデイ・ロープライス)施策を進めたことで、既存店売上高が前年同期を上回り、第3四半期累計では売上高・利益ともに押し上げたが、一方で人員増強や時給単価の上昇、採用費の増加などにより人件費が増加し、経費率が悪化しており、これが足もとの利益を押し下げたようだ。なお、17年5月期通期業績予想は、売上高2477億円(前期比6.8%増)、営業利益147億円(同5.3%増)、純利益97億円(同4.6%増)の従来予想を据え置いている。

■野村ホールディングス <8604>  669.6円 (-18.5円、-2.7%)

 野村ホールディングス <8604> が5日続落し年初来安値を更新、大和証券グループ本社 <8601> 、東海東京フィナンシャル・ホールディングス <8616> 、岡三証券グループ <8609> が新安値に沈むなど証券株の下げが目立つ。北朝鮮に絡む地政学的リスクが強く意識され始めており、相場全般は下げ幅を拡大。証券株は地合い悪化に伴う収益機会の縮小を嫌気する売りがかさんでいる。

■新日鉄住金ソリューションズ <2327>  2,307円 (-63円、-2.7%)

 新日鉄住金ソリューションズ <2327> が続落。SMBC日興証券が3日付で投資判断を「1」から「2」に引き下げたことが弱材料視された。目標株価を2400円から2600円に引き上げるが、株価上昇によって現在の株価とカイ離が縮小しているため、投資判断を引き下げるという。また、同証券では、今後は業績を牽引してきたメガバンクのシステム統合、新日鉄住金 <5401> のシステム統合が最盛期を過ぎ、利益率を維持できるかが焦点となるが、クラウドサービスなど事業の多様化が進んでいることに期待したいとしている。

■任天堂 <7974>  26,055円 (-700円、-2.6%)

 JPモルガン証券が3日、3月27日~31日にかけて米国で行った、約30件の投資家訪問をもとにしたインターネット・ゲームセクターに関するリポートを発表した。これによると同証券では、セクターはOverweightされている印象はなかったが、関心は高く積極的に銘柄を物色する動きが見られたと指摘。ゲームセクターは業績ビジビリティが低く、ボラティリティが高いことから回避する投資家が散見されたが、任天堂 <7974> については新しいサイクルの始まりということもあり、多くの投資家が真剣に検討している印象を受けたとしている。一方、インターネットセクターは、EC市場の競争激化に対する懸念は依然残るとしながらも、ヤフー <4689> や楽天 <4755> のファンダメンタル改善に期待する声が多かったという。さらにそのほかに注目の高かった銘柄として、強気派は少ないが、短期的に「LINE NEWS」の牽引による業績モメンタム改善を期待する見方が多かったLINE <3938> 、「AbemaTV」に対する認知や理解はまださほど進んでいない印象だが、高い関心が寄せられたサイバーエージェント <4751> 、中期保有している投資家が多い印象で、国内事業を中心にトレンドの変化の有無を確認する質問が多かったリクルートホールディングス <6098> 、デジタルシフトによる業績成長を期待する同証券の見解が多くの賛同を得られたスクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 、株価の割安感や豊富な新作パイプラインを好感する見方が多かったネクソン <3659> 、バリュー投資家を中心に豊富なIPの価値に注目が集まったバンダイナムコホールディングス <7832> などを挙げている。

■三越伊勢丹ホールディングス <3099>  1,197円 (-25円、-2.1%)

 三越伊勢丹ホールディングス <3099> が安い。3日の取引終了後に発表した3月度の国内百貨店事業売上速報で、三越伊勢丹合計の売上高(法人外商を除く)が前年同月比0.7%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったが市場の反応は限定的のようだ。月初から気温が低めに推移し肌寒さを感じる気候となったことで、全国的に衣料品の売り上げが伸び悩んだが、リビングや婦人雑貨などが好調に推移した。また、インバウンドでは客数が2ケタ増となったことで、売上高は前年を大きく上回ったとしている。なお、高島屋 <8233> の3月売上高も同2.4%増と2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったが、冴えない展開となっている。

■コーエーテクモホールディングス <3635>  2,151円 (-43円、-2.0%)

 コーエーテクモホールディングス <3635> が大幅反落。3日の取引終了後、集計中の17年3月期連結業績について、売上高が従来予想の420億円から367億円(前の期比4.3%減)へ、営業利益が115億円から81億円(同26.8%減)へ下振れたようだと発表しており、これを嫌気した売りが出た。「よるのないくに2 ~新月の花嫁~」(PS4、PS Vita用)、「進撃の巨人 死地からの脱出」(ニンテンドー3DS用)の2タイトルの発売時期を18年3月期へ延期したことに加えて、「拡張少女系トライナリー」「討鬼伝 モノノフ」「三國志レギオン」などのスマートフォンゲームの配信開始が期末または18年3月期へずれ込んだことなどが要因。また、3月末に発売した「無双☆スターズ」(PS4、PS Vita用)の販売が想定を下回ったことも響いたという。なお、在外子会社の留保利益にかかる繰延税金負債が減少した結果、法人税等調整額が想定を下回ったことで、純利益は110億円から112億円(同3.2%増)へ上振れたようだ。

■IDOM <7599>  675円 (-13円、-1.9%)

 IDOM <7599> が続落。3日の取引終了後、集計中の17年2月期連結業績について、売上高が従来予想の2435億円から2526億円(前の期比20.2%増)へ上振れた一方、営業利益は76億円から46億円(同39.0%減)へ、純利益は41億円から25億円(同39.2%減)へ下振れたようだと発表しており、これを嫌気した売りが出たようだ。ガリバー店舗における買い取り台数の減少を抑制するために、広告宣伝費をはじめとする集客コストを増加した結果、買い取り台数は増加し売上高は計画を上回ったものの、集客コスト対効果が悪化したことが要因。また、西オーストラリア地域で新車ディーラーを経営する連結子会社業績が悪化したことも響いたとしている。

■三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306>  683.3円 (-11円、-1.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンクが安い。三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> も売られた。米トランプ政権の政策運営に対する不透明感が高まるなか、長期金利の指標である米10年物国債は一時2.32%と約1ヵ月ぶりの水準に低下。長短金利の利ザヤ縮小が銀行収益の悪化要因になるとの見方から、JPモルガン・チェースやシティグループが売られた。これを受け、4日の東京株式市場では三菱UFJなどのメガバンクに売りが先行した。

■オリエンタルランド <4661>  6,497円 (-68円、-1.0%)

 オリエンタルランド <4661> が反落。3日の取引終了後に発表した2016年度(16年4月1日~17年3月31日)の東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの2パーク合計の入園者数が、3000万4000人(前年同期比0.6%減)となり、2年連続で前年度割れとなったことが嫌気された。東京ディズニーシーの15周年イベント「ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ」が通年にわたって開催され、期間限定で公演していた新規ショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」などが人気を博したほか、東京ディズニーランドでは、ウエスタンランドに新エリア「キャンプ・ウッドチャック」がオープンし、季節ごとのさまざまなスペシャルイベントが好評だった。ただ、上半期の台風や雨天の影響などが大きく、入園者数は前の年度比で減少したという。

※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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