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2017年03月14日20時00分

【特集】急騰相次ぐ「アンチエイジング」関連、キラメキ材料株をあなたに <株探トップ特集>

資生堂 <日足> 「株探」多機能チャートより

 アンチエイジング(抗老化)市場に再び脚光が当たり始めている。一時はインバウンド消費の一角として機能性化粧品は株式市場でも注目を集めたが、いわゆる“爆買い”が沈静化するなか、新しい局面を迎えている。急速に進む高齢化社会も追い風に、化粧品、製薬、化学メーカーなど幅広い分野の企業が新製品を投入、急拡大するアンチエイジング市場を追った。

●高齢化社会加速が構造的な需要喚起

 化粧品が免税対象となった2014年10月以降、急増する訪日観光客による爆買いを背景に、化粧品など関連銘柄の株価が上昇したことは記憶に新しい。しかし、為替が円高基調に転換するなかインバウンド需要が剥落、反動減を嫌気する形で株価も下降局面をたどることとなった。しかし、ここにきて風向きが変わってきた。機能性を高めた商品が次々登場するなど、アンチエイジング市場を巡る動きが再び活発化している。

 市場調査会社の富士経済によると、06年に4402億円だった市場が16年には6666億円(見込み)に急拡大、さらに17年も6838億円と順調な増加を予測している。同社では、「アンチエイジング市場は、高齢化社会が進むなかで、加齢に伴う肌や頭皮に悩みを持つ人口が増加していることを背景にして、さまざまなケアを訴求した新ブランドや新商品投入が積極的に行われ、拡大を続けている。さらに肌が自ら修復・再生する機能“オートファジー”をコンセプトとした商品投入が注目されるなど、引き続きアンチエイジング市場は活況を呈する」と分析している。

●ポーラHD、初年度売上100億円目指す

 株式市場でもアンチエイジングを巡り、その注目度の高さを窺わせる事例が相次いでいる。昨年11月17日には、ポーラ・オルビスホールディングス <4927> が、ポーラから日本で初めてのシワを改善する薬用化粧品「リンクルショット メディカル セラム」を「来年(17年)1月1日に発売する」と発表。同社では「発売初年度である17年の年間売上は100億円規模を目標」としており、業績への貢献を期待した買いが流入、発表の翌日には株価が大幅高となった。

●資生堂はレチノールで攻勢へ

 2月28日、資生堂 <4911> が「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けたと発表。レチノールを有効成分とした新しい製品は、9週間の使用で深いしわを改善する有効性が認められたという。いわば厚労省のお墨付きをもらった格好で、これを受けて翌日3月1日には株価も急動意した。資生堂の株価と逆行して、同日にはポーラHDは急落。しわ改善で競合する資生堂の動きを警戒した売りが出たものと見られる。

 また、一部報道で前述のレチノールについて「年内に有効成分を配合した商品を発売する」と伝えられたが、資生堂では「そういう報道はあったが、年内にという部分については、現時点では検討中だ。もちろん商品化については目指している。アンチエイジング商品については今後も注力していく方針だ」(広報部)としている。

●ロート、富士フイルム、エーザイも

 両社のほか、ロート製薬 <4527> がアンチエイジング効果をうたう「オバジ」ブランドで攻勢を掛ける一方、富士フイルムホールディングス <4901> はスキンケア商品の「アスタリフト」シリーズが好調だ。

 アンチエイジング志向が高まるなか、商品の多様化などで今後も成長が期待されるのが、“美容ドリンク”市場だ。エーザイ <4523> は、同社初の機能性表示食品「チョコラBBリッチセラミド」を昨年10月から本格発売している。同製品は、コメ由来のグルコシルセラミドを配合した日本で初めてのドリンクタイプの機能性表示食品。セラミドは加齢とともに減少するため、適度に補充することが肌の乾燥対策では重要だという。

●脳の若返りで新田ゼラチン

 もちろん、「しわの改善」だけがアンチエイジングではない。化粧品とは別の“若返り”に向けたさまざまな取り組みも活発化しており、株式市場もその動向には敏感だ。

 新田ゼラチン <4977> は2月23日、「コラーゲンペプチドによる脳の若返り効果の可能性に道筋」と発表し、翌24日には株価が急騰した。内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム、16年度「BHQチャレンジ」で採択された実証トライアルによるものとして発表。コラーゲンペプチド摂取による脳機能改善効果の検証を行い、1日5グラムのコラーゲンペプチド1ヵ月摂取による介入において、脳神経線維の質を向上させ、脳の情報伝達効率向上に寄与する可能性が示されたという。

 急拡大するアンチエイジング市場。その分野は、スキンケア、ベースメイク、ボディケア、ヘアケアまで広がり、さまざまな分野の企業が参入している。マーケットが変貌するなか、今後の展開から目が離せない状況が続きそうだ。

株探ニュース

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