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【特集】佐藤正和氏【週後半、大台「2万円」挑戦は始まるか】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―決算対策売りは一巡、ビッグイベント“通過後”見通しを聞く―

 週明け13日の東京株式市場は、朝方こそ売りに押されたものの、その後は売り物を吸収してやや買い優勢の地合いに変わった。期末特有の決算対策売りも一巡した気配があり、日経平均株価が改めて下値を試すような雰囲気には乏しい。ただし、今週半ばに米FOMCやオランダの議会選挙、予算教書の提出といったビッグイベントを控えており、投資家にとっては気がかりな環境が続く。イベント通過後の今週後半以降、相場はどういった変化をみせるのか。株式市場や為替相場の見通しについて、マーケット関係者の見解をまとめた。

●「3月FOMC経て一段のドル高進行も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 今週は15日前後に重要イベントが目白押しの状態となるが、基本的には来月にかけドル高基調が続くと予想する。

 前週末10日の米2月雇用統計は堅調な結果となり、14~15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われることは、ほぼ間違いない状況となった。焦点は、現在の年3回の利上げ見通しが4回に修正されるかだ。3月に入って米連邦準備制度理事会(FRB)高官からの利上げに前向きなタカ派的な発言が相次いだ。その理由には様々な見方が出ているが、足もとの米国景気は良好であり、「利上げが出来る時にしておこう」という姿勢があるのだと思う。こうしたなか、今週のFOMCで年内の利上げ予想回数が4回に引き上げられる可能性はあるとみている。また、今週は米予算教書が発表される見通しであり、その結果が注目される。

 一方、15日のオランダ総選挙では、極右政党が躍進した場合、その結果がフランス大統領選へ影響を及ぼす可能性がある。足もとでの原油安や中国動向なども懸念要因だ。

 とは言え、リスク要因をこなしながらドル円は上値を試す展開となりそうだ。今後1ヵ月程度をみた場合のドル円のレンジは112~117円を予想する。

 ユーロは1ユーロ=1.03~1.08ドルを見込む。1.05ドルのサポートラインは強いものの、欧州経済には依然、金融緩和は必要とみられるほか、政局面の不安もある。当面のトレンドはユーロ安だとみている。ユーロは対円では、1ユーロ=119~125円を予想する。トレンドはユーロ安・円高を見込んでいる。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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