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【特集】本格反騰前夜、“超買い場”の好業績「リバウンド候補」12選 <株探トップ特集>

千代建 <日足> 「株探」多機能チャートより

―相場の神髄は戻りにあり! いま仕込みたい逆張り妙味株リストアップ―

 東京株式市場は足もとリスクオンの流れに乗り、再び上値指向を強めてきた。ひところは上値が重かった米国株市場も、ここにきて上空の雲が一気にはけたように最高値圏を舞い上がる展開となっており、満を持してトランプ相場第2ステージの幕が上がったかにもみえる。14日、イエレンFRB議長が上院の議会証言でタカ派的な発言をしたことが、米国の長期金利上昇とそれに付随した為替市場でのドル高・円安の動きを誘発、米株高とあわせて、日本株にとっては、望外のバレンタイン・プレゼントとなった。

●基本は好実態銘柄の逆張りに利あり

 年初から方向感の定まらない相場を前にポジションを低くしていた国内外の機関投資家も、にわかに臨戦態勢の構えにある。個人投資家もこの流れにうまく乗っていきたいところだ。決算発表が大方出揃った現在は、ミクロ面からの新たな手掛かり材料を欠くことになるが、こうした場面では「出遅れ株の水準訂正を狙う」のが一つの有力な投資手法となる。

 具体的には17年3月期決算が好調な見通しにありながら、市場コンセンサスや調査機関の投資評価、あるいは全体地合い悪に流されて水準を切り下げた銘柄が、見直し買いの対象となる。目先リベンジ相場の色を見せながらも、まだ戻り初動で上値余地が大きいと判断される銘柄は少なくない。別掲の12銘柄は東証1部の3月決算企業のなかから今期2ケタ以上の営業増益予想にある、逆張り妙味株を厳選したものだ。

●半導体向け研磨材好調の富士紡、ビッグデータ時代でテクノスJ

 富士紡ホールディングス <3104> はスマートフォン向け半導体需要の拡大を背景に精密加工用研磨剤が好調で今期77%の営業増益を見込む。株価は2月10日の3195円を底値に出直りの動きにある。10倍を下回る低PERもポイント。

 飯田グループホールディングス <3291> は6社が経営統合して設立されたパワービルダーの最大手で、低価格の戸建て分譲が好調で業績は拡大基調。PERはわずか7倍前後でPBRも0.8倍台前後と割安。下値模索局面にあるが1800円前後は底値到達感がある。

 ITコンサルのテクノスジャパン <3666> はERPの導入支援を主力としており、ビッグデータ時代の到来で商機を膨らませている。1200円近辺で底値鍛錬が進んでおり再浮上の機が近い。

●ZMP「ツレ安」のHUGとベリサーブはリベンジ相場へ

 ハーツユナイテッドグループ <3676> はゲームソフトの不具合を検出するデバッグを手掛けるが、AI分野にも経営資源を投入、自動運転関連の一角として注目されている。ITベンチャーZMPの上場延期が株価にネガティブに働いたが、本業は好調で今期3割増益予想にあり、早晩見直し買いを集める可能性がある。

 ベリサーブ <3724> もIT商品の開発支援・検証を行うが、自動車分野のソフト不具合検証が高水準の需要を取り込んでいる。同社もHUG同様にZMP関連として逆風にさらされたが、同社の成長期待を揺るがすものではなく、2900円未満は買い場とみたい。

 臨床検査で国内屈指の実力を持つビー・エム・エル <4694> は、電子カルテ事業にも展開しており手掛かり材料が多い。臨床検査は大規模病院など新規顧客開拓が好調で会社側の想定を上回る状況にある。決算発表がコンセンサスに届かず売り込まれたが、下げ過ぎの感も強い。

 ジャパンマテリアル <6055> は半導体製造向けの特殊ガス供給装置が好調で収益に貢献している。株価は需給先行で売られ、トレンドは現時点では底値を確認できていないが、需給悪が収まれば実態評価で切り返しが有望視される。

●千代建は原油関連株復権の一角、大崎電は実態評価で買い直し

 千代田化工建設 <6366> は英国の関連会社の収益不振を受け業績下方修正したことが、1月末以降の大幅安につながったが、目先株価面では織り込みが完了している。原油市況が上昇基調にあることもエネルギープラントを手掛ける同社には追い風材料で、今年は復権相場が待っている可能性もある。来期業績はカタールやベトナムでの不採算案件が一巡し、北米のLNGプロジェクトの寄与で回復色を強めるとの見方が強い。

 大崎電気工業 <6644> は電力向けスマートメーターのトップメーカーで、国内だけでなく欧州や豪州など海外でも高水準の需要を確保している。フラットパネルディスプレー装置にも展開している。今期営業利益は前期比7割増と高変化を見込む。直近は短期筋の食いつきで急伸した後に上ヒゲをつけて急落という展開だが、実態面から買い直される余地大。

●自動車の電装化で図研に商機、タカラレーベンの業績変化も注目

 図研 <6947> はCAD/CAMシステムの国内トップメーカー。プリント基板用で特に優位性を発揮、3次元CADは自動車業界向けで高シェアを誇る。来期は、エレクトロニクス化が進展する車載機器向けニーズの取り込みが加速しそうだ。

 分譲マンション販売を手掛けるタカラレーベン <8897> は埼玉・東京を地盤に1次取得者層中心に需要を取り込んでいる。不動産販売、賃貸ともに好調で今期営業利益は前期比ほぼ倍増を見込むが、続く来期も“発射台の高さ”をこなして増益トレンドが維持されそうだ。東京・江戸川区の大規模な市街地再開発事業に参画している。PER7倍台は水準訂正余地をはらんでいる。

 ヤマダ電機 <9831> は家電量販店の最大手で関東を地盤に全国に店舗網を広げている。合理化努力を進める一方、エアコンなど高価格帯商品の売れ行きが好調。また、4Kテレビへの買い替え需要の本格化が期待されるほか、スマートハウスなど住宅関連事業への展開にも期待がかかっている。PBRは0.8倍台と指標面でも割安感がある。

◆「超買い場」の好業績反騰株リスト◆

          今期営業利益
            伸び率   株価
富士紡HD <3104>    76.6   3285
飯田GHD <3291>    19.7   1842
テクノスJ <3666>    22.4   1211
HUG <3676>      31    1440
ベリサーブ <3724>    12.3   2865

BML <4694>      12.5   2519
Jマテリアル <6055>   10.9   1480
千代建 <6366>      12.4    736
大崎電 <6644>      71.2   1069
図研 <6947>       93.5   1240

タカラレーベ <8897>   98.3    603
ヤマダ電 <9831>     22.8    583

※株価は2月15日終値(単位:%、円)

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