市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

カネカ <日足> 「株探」多機能チャートより

■カネカ <4118>  862円 (-109円、-11.2%)

 東証1部の下落率トップ。カネカ <4118> が急反落。8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(16年4-12月)連結決算が、売上高4080億8200万円(前年同期比2.2%減)、営業利益245億7000万円(同16.3%減)、純利益129億5200万円(同21.0%減)と2ケタ減益となったことが嫌気された。新製品やスペシャリティーの高い製品の拡販を進めたことで、全体として販売数量は増加したが、円高の進行による影響が大きかったほか、エレクトロニクス市場の需要低迷も響き減益を余儀なくされたという。なお、17年3月期通期業績予想は、売上高5600億円(前期比0.9%増)、営業利益385億円(同0.7%増)、純利益210億円(同0.1%増)の従来予想を据え置いている。

■日立製作所 <6501>  622.3円 (-54.4円、-8.0%)

 東証1部の下落率7位。日立製作所 <6501> が急反落。8日の取引終了後、同社と三菱重工業 <7011> との合弁会社による南アフリカでのボイラー建設プロジェクトについて、三菱重から巨額の支払い請求を受けている問題に関して、三菱重からの請求額が従来の約3790億円から7634億円にほぼ倍増したと発表しており、これを嫌気した売りが出たようだ。同プロジェクトは、07年に日立が当時のレートで総額約5700億円で受注した大型プロジェクト。三菱重工と日立が火力発電事業を統合し、三菱日立パワーシステムズが誕生した際に、日立の南ア子会社からプロジェクトを譲渡されたが、工期の遅れなどから損失が発生し、その損失負担を巡って日立が三菱重から支払い請求を求められている。なお日立では、「16年3月(前回)の請求と同様、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられないが、今後も協議を継続する」とコメントしている。

■荏原 <6361>  3,195円 (-260円、-7.5%)

 東証1部の下落率8位。荏原 <6361> が大幅3日続落。8日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、売上高を4800億円から4750億円(前期比2.3%減)へ、営業利益を370億円から330億円(同13.2%減)へ、純利益を210億円から190億円(同10.1%増)へ下方修正したことが嫌気された。想定為替レートを1ドル=105円から110円へ見直した一方、風水力事業が計画を下回って推移していることなどを考慮したという。なお、第3四半期累計(16年4-12月)決算は、売上高3078億3400万円(前年同期比5.2%減)、営業利益85億8800万円(同44.6%減)、純利益51億100万円(同30.2%減)だった。

■加藤製作所 <6390>  2,789円 (-226円、-7.5%)

 東証1部の下落率9位。加藤製作所 <6390> が急反落。8日大引け後(15:00)に業績修正を発表。「今期経常を53%下方修正」が嫌気された。17年3月期の連結経常利益を従来予想の30億円→14億円(前期は51.2億円)に53.3%下方修正し、減益率が41.5%減→72.7%減に拡大する見通しとなった。ただ、通期の連結最終利益は従来予想の20億円→72億円(前期は34.9億円)に3.6倍上方修正し、一転して2.1倍増益を見込み、一気に2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

■銭高組 <1811>  448円 (-33円、-6.9%)

 東証1部の下落率10位。錢高組 <1811> が大幅反落。8日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を27億円から30億8000万円(前期比31.9%減)へ、純利益を22億5000万円から27億6000万円(同6.0%減)へ上方修正したが、営業利益で38億円前後を見込んでいた市場予想を下回ることから、失望感が台頭したようだ。工事の進捗が予想を下回ったことから、売上高は1102億円から1068億円(同7.2%減)へ下方修正したが、工事の採算が改善していることが利益の上振れに寄与する見通し。なお、従来未定としていた期末配当について、5円(前期6円)を実施すると併せて発表したが、これに対する反応は限定的だった。

■ゼリア新薬工業 <4559>  1,671円 (-116円、-6.5%)

 ゼリア新薬工業 <4559> が急落。8日大引け後(16:00)に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が7%減益で着地・10-12月期も81%減益」が嫌気された。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比7.0%減の35億円に減り、通期計画の46億円に対する進捗率は5年平均の95.6%を下回る76.1%にとどまった。

※9日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均