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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):いちご、ディスコ、ソフトバンク

ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
■いちご <2337>  360円  +5 円 (+1.4%)  本日終値
 いちご<2337>が堅調。8日の取引終了後、17年2月期の連結業績予想について、売上高を1256億円から1080億円(前期比2.2倍)へ下方修正した一方、営業利益を185億円から214億円(同38.8%増)へ、純利益を133億円から143億円(同10.6%増)へ上方修正したことが好感された。心築事業において、売却物件を厳選したことにより売上高は従来予想に比べ減少する見通しだが、順調な物件取得や賃料収入の増加、保有物件の付加価値の向上による売却粗利益の増加が寄与し、利益面では上方修正した。なお、同社では1月13日に第3四半期累計(16年3~11月)決算を発表しており、17年2月期通期業績予想は据え置かれていた。

■ディスコ <6146>  16,650円  +160 円 (+1.0%)  本日終値
 ディスコ<6146>が新高値。16年5カ月ぶりの高値圏を進む展開となった。半導体チップをウエハーから切り取る切断装置や研削装置の世界トップメーカーで、中国スマートフォンメーカーの生産能力増強を背景に足もとの業績は好調に推移している。6日に17年3月期の連結最終利益を201億円から235億円(前期比1.7%増)へ上方修正しており大幅減益予想が一転して増益に転じ最高利益を更新、さらに配当も296円から361円へと65円の大幅増配を実施することがサプライズを呼んだ。米国のフィラデルフィア取引所が発表している半導体関連メーカーなどの銘柄で構成されるSOX指数は前日時点で4日続伸、過去最高値を更新中で、これも同社株をはじめ半導体関連株に追い風となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,734円  +50 円 (+0.6%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が4日続伸。株価は昨年12月に大きく上放れて以降、25日移動平均線をサポートラインとした下値切り上げ波動を形成している。注目された同社の17年3月期第3四半期(16年4~12月期)の連結決算は売上高6兆5814億6600万円(前年同期比0.3%減)と微減だったものの、営業利益は9496億6000万円(同18.0%増)と2ケタ増益を確保し、最終利益は8574億3100万円(同99.9%増)と倍増した。これを好感する買いを集めている。光回線が牽引するかたちで国内通信事業が好調、米携帯電話子会社スプリントの損益も改善傾向をたどっている。スプリントが米通信業界で台頭している再編機運に絡むとの思惑も株価を刺激しているもようだ。

■カネカ <4118>  862円  -109 円 (-11.2%)  本日終値  東証1部 下落率トップ
 カネカ<4118>が急反落。8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(16年4~12月)連結決算が、売上高4080億8200万円(前年同期比2.2%減)、営業利益245億7000万円(同16.3%減)、純利益129億5200万円(同21.0%減)と2ケタ減益となったことが嫌気された。新製品やスペシャリティーの高い製品の拡販を進めたことで、全体として販売数量は増加したが、円高の進行による影響が大きかったほか、エレクトロニクス市場の需要低迷も響き減益を余儀なくされたという。なお、17年3月期通期業績予想は、売上高5600億円(前期比0.9%増)、営業利益385億円(同0.7%増)、純利益210億円(同0.1%増)の従来予想を据え置いている。

■日立製作所 <6501>  622.3円  -54.4 円 (-8.0%)  本日終値  東証1部 下落率7位
 日立製作所<6501>が急反落。8日の取引終了後、同社と三菱重工業<7011>との合弁会社による南アフリカでのボイラー建設プロジェクトについて、三菱重から巨額の支払い請求を受けている問題に関して、三菱重からの請求額が従来の約3790億円から7634億円にほぼ倍増したと発表しており、これを嫌気した売りが出たようだ。同プロジェクトは、07年に日立が当時のレートで総額約5700億円で受注した大型プロジェクト。三菱重工と日立が火力発電事業を統合し、三菱日立パワーシステムズが誕生した際に、日立の南ア子会社からプロジェクトを譲渡されたが、工期の遅れなどから損失が発生し、その損失負担を巡って日立が三菱重から支払い請求を求められている。なお日立では、「16年3月(前回)の請求と同様、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられないが、今後も協議を継続する」とコメントしている。

■荏原 <6361>  3,195円  -260 円 (-7.5%)  本日終値  東証1部 下落率8位
 荏原<6361>は大幅3日続落。8日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、売上高を4800億円から4750億円(前期比2.3%減)へ、営業利益を370億円から330億円(同13.2%減)へ、純利益を210億円から190億円(同10.1%増)へ下方修正したことが嫌気されている。想定為替レートを1ドル=105円から110円へ見直した一方、風水力事業が計画を下回って推移していることなどを考慮したという。なお、第3四半期累計(16年4~12月)決算は、売上高3078億3400万円(前年同期比5.2%減)、営業利益85億8800万円(同44.6%減)、純利益51億100万円(同30.2%減)だった。

■加藤製作所 <6390>  2,789円  -226 円 (-7.5%)  本日終値  東証1部 下落率9位
 8日に業績修正を発表。「今期経常を53%下方修正」が嫌気された。加藤製作所 <6390> が2月8日大引け後(15:00)に業績修正を発表。17年3月期の連結経常利益を従来予想の30億円→14億円(前期は51.2億円)に53.3%下方修正し、減益率が41.5%減→72.7%減に拡大する見通しとなった。ただ、通期の連結最終利益は従来予想の20億円→72億円(前期は34.9億円)に3.6倍上方修正し、一転して2.1倍増益を見込み、一気に2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。
  ⇒⇒加藤製作所の詳しい業績推移表を見る

■錢高組 <1811>  448円  -33 円 (-6.9%)  本日終値  東証1部 下落率10位
 銭高組<1811>が大幅反落。8日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を27億円から30億8000万円(前期比31.9%減)へ、純利益を22億5000万円から27億6000万円(同6.0%減)へ上方修正したが、営業利益で38億円前後を見込んでいた市場予想を下回ることから、失望感が台頭したようだ。工事の進捗が予想を下回ったことから、売上高は1102億円から1068億円(同7.2%減)へ下方修正したが、工事の採算が改善していることが利益の上振れに寄与する見通し。なお、従来未定としていた期末配当について、5円(前期6円)を実施するとあわせて発表したが、これに対する反応は限定的のようだ。

■ゼリア新薬工業 <4559>  1,671円  -116 円 (-6.5%)  本日終値
 8日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が7%減益で着地・10-12月期も81%減益」が嫌気された。ゼリア新薬工業 <4559> が2月8日大引け後(16:00)に決算を発表。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比7.0%減の35億円に減り、通期計画の46億円に対する進捗率は5年平均の95.6%を下回る76.1%にとどまった。
  ⇒⇒ゼリア新薬工業の詳しい業績推移表を見る

●ストップ高銘柄
 日本パワーファスニング <5950>  201円  +50 円 (+33.1%) ストップ高   本日終値
 田辺工業 <1828>  1,315円  +300 円 (+29.6%) ストップ高   本日終値
 エージーピー <9377>  938円  +150 円 (+19.0%) ストップ高   本日終値
 エムアップ <3661>  954円  +150 円 (+18.7%) ストップ高   本日終値
 ニッポン高度紙工業 <3891>  1,059円  +150 円 (+16.5%) ストップ高   本日終値
 など、8銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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