【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):エイチワン、ローツェ、SUMCO
エイチワン <日足> 「株探」多機能チャートより
エイチワン<5989>が急伸。午後2時、17年3月期の連結業績予想について、売上高を1730億円から1740億円(前期比13.1%減)へ、営業利益を60億円から80億円(同31.9%増)へ、純利益を36億円から57億円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感された。第3四半期業績が大幅増益となったことに加えて、中国における増産効果や日本の生産コスト低減効果などが寄与する見通し。また、10~12月期に一部地域で付加価値の良化もあり、利益の大幅な上振れを予想している。なお、同時に発表した第3四半期累計(16年4~12月)連結決算は、売上高1351億2900万円(前年同期比9.1%減)、営業利益73億7600万円(同81.0%増)、純利益56億5200万円(同2.4倍)だった。また、17年3月末時点の株主から、株主優待制度を導入するとあわせて発表しており、これも好材料視されている。毎年3月末時点で1単元(100株)以上保有の株主に対して保有期間に応じ、3年未満でオリジナルクオカード1000円分、3年以上で同2000円分、5年以上で同3000円分を贈呈するとしている。
■ワコム <6727> 384円 +34 円 (+9.7%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
ワコム<6727>が急騰。同社はペンタブレットの世界トップメーカーだが、主要販売先のサムスン向けが不振で業績は厳しい環境にある。しかし、株価面ではかなり織り込みが進んでいた。そうしたなか、8日取引終了後に17年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を703億円から715億円(前期比7.8%減)へ小幅ながら増額修正した。営業損益は5億円の赤字(前期36億6400万円の黒字)、最終損益は15億円の赤字(同23億1000万円の黒字)で据え置いた。これについて市場では「サムスン向けの低迷により赤字幅は従来予想より膨らむとみる向きが多かったようで、空売りが高水準だった。東証信用倍率は1.02倍と売り買いが拮抗、日証金では逆日歩がついていた。売り上げ予想の上乗せは材料視するレベルではないが、損失幅が膨らまないということが一気に買い戻しを誘う格好となったようだ」(準大手証券ストラテジスト)と指摘されている。
■テイカ <4027> 748円 +60 円 (+8.7%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
8日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が21%増益で着地・10-12月期も37%増益」が好感された。テイカ <4027> が2月8日大引け後(16:00)に決算を発表。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比21.2%増の43.8億円に伸び、通期計画の50億円に対する進捗率は87.8%に達し、5年平均の75.9%も上回った。
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■KYB <7242> 589円 +47 円 (+8.7%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
8日、KYB <7242> が17年3月期の連結税引き前利益を従来予想の148億円→179億円に20.9%上方修正。増益率が5.2倍→6.3倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。中国向けを中心に建設機械用油圧機器の販売が想定より伸びることが寄与。円安による採算改善なども利益を押し上げる。
■ミツバ <7280> 2,080円 +132 円 (+6.8%) 本日終値
ミツバ <7280> が続急伸し昨年来高値を更新した。8日、同社は17年3月期第3四半期累計(4-12月)の決算を発表。連結経常利益は前年同期比5.3%減の145億円に減ったが、通期計画の150億円に対する進捗率は97.1%に達しており、これを評価する買いが向かった。円高が足かせとなり減益となったものの、北米や中国向けにモーターなどの販売が好調なうえ、コスト改善も進んでいる。直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の同利益は、昨年11月以降の円安進行による為替差益の発生を背景に、前年同期比35.5%増の75.2億円に拡大した。同社は下期の想定為替レートを1ドル=100円に設定しており、現在の為替水準が続けば業績上振れは確実とみられる。
■ローツェ <6323> 2,345円 +144 円 (+6.5%) 本日終値
8日、ローツェ <6323> が17年2月期の連結経常利益を従来予想の39.7億円→47億円に18.2%上方修正。増益率が33.7%増→58.0%増に拡大し、従来の16期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。韓国向けディスプレー製造装置の受注が伸び、売上が計画を19.3%も上回ることが利益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の15円→23円(前期は15円)に大幅増額修正したことも支援材料となった。
■SUMCO <3436> 1,868円 +109 円 (+6.2%) 本日終値
SUMCO<3436>が続急伸し昨年来高値を更新した。8日の取引終了後に発表した16年12月期連結決算は、売上高2113億6100万円(前期比10.8%減)、営業利益140億4600万円(同52.3%減)、純利益65億8800万円(同66.6%減)と減収減益に終わったが、17年12月期第1四半期業績は営業利益70億円(前年同期比93.7%増)と大幅増益を見込んでおり、これを好感した買いが入った。前期は、為替が15年度の1ドル=121円から16年度は109.5円で推移したことで採算が悪化したことに加えて、上期の半導体ウエハーの価格低下が響いた。ただ、春先以降にスマートフォンの高機能化や通信量の増加を背景としたデータセンター向け需要が伸長したことで、営業利益は従来計画の125億円を上振れて着地した。なお、同社では翌四半期の業績予想のみを開示しており、17年12月期第1四半期業績は売上高590億円(前年同期比13.9%増)、純利益30億円(同90.3%増)を見込む。半導体ウエハーは強い需要が継続し、需給はひっ迫状況にあることが寄与する。また、前提為替レートを114円としていることも売上高・利益を押し上げる。
■不二製油グループ本社 <2607> 2,358円 +128 円 (+5.7%) 本日終値
不二製油グループ本社<2607>は8日取引終了後、17年3月期第3四半期累計(16年4~12月)の連結決算を発表。売上高は2183億7200万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は156億4900万円(同24.5%増)、最終利益は114億6800万円(同79.5%増)だった。油脂部門で、国内におけるパーム油・チョコレート用油脂の販売数量が増加し業績を牽引したほか、製菓・製パン素材部門で前期に買収したチョコレートメーカーのハラルド社の業績が寄与する。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高2920億円(前期比1.6%増)、営業利益196億円(同16.4%増)、最終利益120億円(同30.1%増)を見込んでいる。
■ニチレイ <2871> 2,475円 +134 円 (+5.7%) 本日終値
ニチレイ<2871>が大幅高。冷凍食品で業界シェアトップ、チャーハンなど家庭用米飯類が好調で業績を牽引している。全体相場は主力輸出株などリスクが取りづらい流れとなっており、ディフェンシブセクターに目が行きやすい。そのなか、同社株は上値指向が鮮明だ。前日、取引時間中に、今3月期の営業利益見通しを260億円から290億円(前期比34%増)に上方修正しているが、中期経営計画の目標値286億円も既に超過していることから市場でもポジティブに受け止める声が強い。市場では「冷凍食品需要は共働きの増加などライフスタイルの変化も追い風となっている。東証信用残も売り長で信用倍率は0.6倍と株式需給関係も悪くない。国内証券の投資評価も概ね高く株高に追い風となっている」(準大手証券ストラテジスト)としている。
■富士製薬工業 <4554> 2,990円 +155 円 (+5.5%) 本日終値
8日に決算を発表。「10-12月期(1Q)経常は79%増益で着地」が好感された。富士製薬工業 <4554> が2月8日大引け後(16:30)に決算を発表。17年9月期第1四半期(10-12月)の連結経常利益は前年同期比79.4%増の15.2億円に拡大し、10-3月期(上期)計画の19.6億円に対する進捗率は77.6%に達し、5年平均の53.1%も上回った。
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