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【注目】前週末3日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ソニー <日足> 「株探」多機能チャートより

■ソニー <6758>  3,537円 (+168円、+5.0%)

 ソニー <6758> が急反発。2日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を2700億円から2400億円(前期比18.4%減)へ、純利益を600億円から260億円(同82.4%減)へ下方修正したが、悪材料出尽くしとの見方が強まっている。前提為替レートを1ドル=101円前後から118円前後へ、1ユーロ=113円前後から123円前後へ見直したことで、売上高および営業収入は7兆4000億円から7兆6000億円(同6.2%減)へ上方修正した。これに加えて、エムスリー <2413> 株の一部売却に伴う売却益372億円の計上を見込んでいる。一方で、第3四半期に映画分野で営業権の減損損失1121億円を計上したほか、構造改革費用を30億円積み増したことなどが利益を圧迫するとしているが、映画事業の減損は1月30日に発表済みであることが、今回の悪材料出尽くし感台頭につながったようだ。なお、未定としていた期末配当は前期末並みの10円を予定している。同時に発表した第3四半期累計(16年4-12月)決算は、売上高及び営業収入5兆6996億4600万円(前年同期比9.3%減)、営業利益1943億1100万円(同49.8%減)、最終利益456億3900万円(同80.7%減)だった。

■大平洋金属 <5541>  372円 (+16円、+4.5%)

 大平洋金属 <5541> が急動意、テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前で中段上放れの動きをみせている。同社は新日鉄住金系のフェロニッケル製錬大手で、今3月期は前期比で大幅に赤字が縮小する見通しにある。ニッケル鉱石はフィリピンが生産全体の約5割を占めている状況にあるが、フィリピン政府の鉱山操業停止命令で供給がタイト化する思惑が浮上している。LMEニッケル価格は前日2日まで5日続伸しており、1トン=1万395ドルまで上昇、約3週間ぶりの高値をつけた。このニッケル市況の底入れが同社株価に浮揚効果をもたらしている。

■花王 <4452>  5,843円 (+245円、+4.4%)

 花王 <4452> が大幅反発。2日の取引終了後に発表した17年12月期の連結業績予想が、売上高1兆4700億円(前期比0.9%増)、営業利益2000億円(同7.8%増)、純利益1380億円(同9.0%増)と前期に続いて増益を見込んでいることに加えて、年間配当を前期の94円から108円へ増配する見通しであることが好感された。日本のコンシューマープロダクツ事業で販売制度の改定を行うほか、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を早期適用する予定であることから、売上高が目減りするほか、天然油脂の価格が高水準で推移し、原材料価格の上昇が見込まれる一方、新製品投入効果で販売数量の増加を見込むほか、高付加価値品の開発やコストダウンの継続で増益を確保する見通し。なお、16年12月期連結決算は売上高1兆4576億1000万円(前の期比1.1%減)、営業利益1855億7100万円(同10.9%増)、純利益1265億5100万円(同20.3%増)だった。同時に3月1日付で900万株の自社株を消却すると発表しており、これも好材料視されたようだ。消却後の発行済み株数は4億9500万株となる。

■福井銀行 <8362>  298円 (+11円、+3.8%)

 全体相場は方向感がつかみにくいなか2日終値近辺で強含みもみ合いの展開にあったが、そのなかで福井銀行 <8362> 、百五銀行 <8368> 、中国銀行 <8382> 、栃木銀行 <8550> 、京都銀行 <8369> 、愛知銀行 <8527> 、秋田銀行 <8343> 、佐賀銀行 <8395> など地銀株の上昇が目立った。これについて市場では「3日は日銀の指値オペでいったん長期金利が急低下する場面があったが、米長期金利上昇などを背景に国内金利は先高感が意識されている」(大手ネット証券アナリスト)と指摘。そして「特に超長期金利の上昇基調が顕著であり、イールドカーブが立ってきていることは生保や銀行業界にとって収益機会につながる環境と捉えられている」(同)という。また、国内景気の改善期待に加えて、低PBRの宝庫である地銀セクターは、業界再編の思惑も引き続き底流している。

■ディーエヌエ <2432>  2,453円 (+83円、+3.5%)

 ディー・エヌ・エー <2432> が大幅続伸。任天堂 <7974> と共同開発したスマートフォン向けゲーム「ファイアーエムブレム ヒーローズ」が2日に配信開始されたが、3日には早くもiphone、iPadの無料ゲームランキングでトップとなっており、順調な滑り出しを好感した買いが入った。任天堂のタイトルとしては、初のアイテム課金型のゲームであることから、今後のゲーム内のイベントなども話題となりそうだ。

■塩野義製薬 <4507>  5,634円 (+182円、+3.3%)

 塩野義製薬 <4507> が3日続伸。同社が2日に発表した第3四半期(10-12月)の連結営業利益は434億円となり市場予想(380億円前後)を上回った。抗エイズウイルス(HIV)薬「エビケイ」の販売が好調だったほか、ロイヤルティー収入も寄与した。市場では、この決算発表を「ポジティブ」と評価している。

■ローム <6963>  7,350円 (+200円、+2.8%)

 ローム <6963> が反発。2日、同社が17年3月期の連結経常利益を従来予想の165億円→315億円に90.9%上方修正。減益率が54.9%減→14.0%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。自動車、スマートフォン向けの電源装置やセンサーなどの販売が伸びることが寄与。コスト削減の進展に加え、円安による採算改善や為替差益の発生も利益を大きく押し上げる。

■フジミインコ <5384>  2,649円 (+67円、+2.6%)

 フジミインコーポレーテッド <5384> が反発。2日、同社が17年3月期の同利益を従来予想の39億円→46億円に17.9%上方修正。増益率が16.7%増→37.6%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。シリコンウエハや半導体デバイス向け研磨剤で好採算品の販売が伸びることが寄与。コスト削減の進展に加え、円安による為替差益の発生なども上振れに貢献する。

■T&D <8795>  1,727円 (+32.5円、+1.9%)

 T&Dホールディングス <8795> や第一生命ホールディングス <8750> 、かんぽ生命保険 <7181> といった大手生保株が高い。3日の東京債券市場で長期金利が上昇。指標となる10年物国債利回りは一時、1.150%と16年1月末以来、約1年ぶりの水準に上げている。これを受け、長期金利の上昇が運用収益の改善につながる生保株には買いが流入した。

■Uアローズ <7606>  3,250円 (+55円、+1.7%)

 ユナイテッドアローズ <7606> が続伸。2日の取引終了後に発表した1月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比5.8%増と4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。セール品を中心にアウターやニットなどの冬物商品、ジャケットやパンツなどのビジネス衣料が好調に推移した。また、春節が1月末から(前年は2月)となったことで、訪日外国人による売り上げも大きく伸びた。

■日新製鋼 <5413>  1,542円 (+19円、+1.3%)

 日新製鋼 <5413> が反発。2日、同社に対して新日鉄住金 <5401> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格は前日終値を6.4%上回る1株1620円。買付期間は2月3日から3月6日まで。なお、同社はTOB終了後も上場は維持する。

■ブイ・テクノロジー <7717>  18,730円 (+220円、+1.2%)

 ブイ・テクノロジー <7717> が大幅高で5連騰、連日の新高値。一時1万9000円台に乗せており、2006年2月7日につけた上場来高値2万100円(株式分割修正値)も視界に入ってきた。次世代ディスプレーとして有機EL市場が急拡大する方向にある。今秋にも米アップルのiPhoneに有機ELパネル搭載機種が発売される見通しにあり、関連銘柄への注目度がにわかに高まっている。そのなか、同社は有機EL蒸着プロセスで必須であるファイン・ハイブリッド・マスク(FHM)を手掛けていることで成長期待が強い。大型商談の思惑から業績急変化が期待されており、1月下旬を境にして一気に上値追い基調を強めている。このほか、製造装置関連では平田機工 <6258> 、タツモ <6266> が堅調、有機EL素材を手掛ける住友化学 <4005> や、出光興産 <5019> 、保土谷化学工業 <4112> なども高い。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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