【市況】17日の米国市場ダイジェスト:ダウは58ドル安、経済政策への懸念広がる
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:ダウは58ドル安、経済政策への懸念広がる
NYダウ ナスダック
終値:19826.77 終値:5538.73
前日比:-58.96 前日比:-35.39
始値:19848.82 始値:5555.16
高値:19882.99 高値:5557.05
安値:19775.35 安値:5527.22
17日の米国株式相場は下落。ダウ平均は58.96ドル安の19826.77、ナスダックは35.39ポイント安の5538.73で取引を終了した。トランプ次期大統領がドル高への警戒感を示したほか、英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱に関して演説を行い、先行き不透明感から売りが先行。米国債利回りの下落を受けて金融セクターに売りが集中し、終日軟調推移となった。主要企業決算は予想を上回る好調な内容となったものの、利益確定の動きが目立った。セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や食品・生活必需品小売が上昇する一方で銀行や各種金融が下落した。
投資銀行のモルガン・スタンレー(MS)や医療保険のユナイテッドヘルス(UNH)は好決算を発表したものの、投資家のリスク回避姿勢が強まり下落。ファストフードのチポトレ・メキシキカン・グリル(CMG)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、軟調推移。宝飾品のティファニー(TIF)は年末商戦期の既存店売上高が下落し、売られた。一方で、小売最大手のウォルマート(WMT)は米国で1万人の雇用計画を表明し、上昇した。
著名投資家デービッド・アインホーン氏が率いるグリーンライト・キャピタルは、10-12月期の運用報告書でトランプ次期政権で恩恵を受ける銘柄として自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)や携帯端末のアップル(AAPL)を挙げている。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ドルは主要通貨に対して全面安、トランプ次期米大統領がドル高けん制
17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円57銭から112円61銭まで下落し、112円62銭で引けた。トランプ次期米大統領によるドル高牽制発言や米1月NY連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが嫌気された。ダドリーNY連銀総裁は講演で、「最近のドル高は物価に下方圧力を加える」と言及し、ドル売りは継続した。
ユーロ・ドルは、1.0668ドルから1.0717ドルへ上昇し、1.0713ドルで引けた。英国はEU離脱を回避するとの思惑が浮上し、ユーロの買戻しが加速。ユーロ・円は、121円29銭から120円58銭へ下落した。ポンド・ドルは、1.2299ドルから1.2416ドルへ上昇した。メイ英首相は欧州連合(EU)からの離脱計画を発表し、単一市場から撤退する方針を表明したものの、EU離脱に関する最終案を議会の採決にかけると言明したため、「強硬な離脱」は回避されるとの見方が広がり、ポンドの買戻しに拍車がかかった。ドル・スイスは、1.0034フランから一時0.9996フランへ下落した。
■NY原油:反発で52.48ドル、要人発言を材料にしっかりとした推移
NY原油先物は反発(NYMEX原油2月限終値:52.48↑0.11)。52.24ドルから53.52ドルのレンジで推移した(時間外取引含む)。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相や、国際エネルギー機関(IEA)のピロル事務局長などによる原油市場の需給に対する楽観的な見方を受けて、しっかりとした推移が見られた。
チャートでは、25日移動平均線(52.6ドル水準)で推移している。11月24日安値42.20ドルを起点に下値を切り上げる展開だが、上値もやや重い様子。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 22.05ドル -0.96ドル(-4.17%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.15ドル -1.66ドル(-3.79%)
ゴールドマン・サックス(GS)235.74ドル -8.56ドル(-3.50%)
インテル(INTC) 36.80ドル +0.01ドル(+0.03%)
アップル(AAPL) 120.00ドル +0.96ドル(+0.81%)
アルファベット(GOOG) 804.61ドル -3.27ドル(-0.40%)
フェイスブック(FB) 127.87ドル -0.47ドル(-0.37%)
キャタピラー(CAT) 93.57ドル -0.91ドル(-0.96%)
アルコア(AA) 32.64ドル -0.37ドル(-1.12%)
ウォルマート(WMT) 68.42ドル +1.29ドル(+1.92%)
スプリント(S) 8.65ドル +0.04ドル(+0.46%)
《SK》
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