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【材料】ベルシス24---3Q連結営業利益は費用増と先行投資で減益も伊藤忠シナジー拡大は続く

ベル24HD <日足> 「株探」多機能チャートより

ベルシステム24ホールディングス<6183>は、1月11日、2017年2月期第3四半期決算(2016年3月~11月累計)を発表した。2017年2月期第3四半期連結業績は、売上収益が前年同期比6.4%増の812.22億円、営業利益が同6.8%減の60.54億円、税引前利益が同6.8%減の53.24億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同1.8%減の33.65億円となった。主軸のCRM事業の売上収益は前年同期比7.1%増の756.96億円だったが、営業利益は同2.6%減の59.02億円。既存業務および新規業務等のコア事業が大きく伸び、旧BBコールへの発注量の減少などの減収要因を上回った。営業利益では、調整項目等一時費用の減少やスポット業務における利益率の改善があったが、人件費単価の増、先行経費の支出等の影響で減益となった。

CRM事業の売上収益拡大の背景には、伊藤忠グループとの協業により、そのグループ会社、関連会社、取引先からの受注案件を指す伊藤忠シナジーがあった。今期の伊藤忠シナジーは第1四半期(2016年3月~5月の3か月)で約14.2億円、第2四半期(同6月~8月)で約18.4億円、第3四半期(同9月~11月)で約20.3億円、第3四半期累計で約53億円と前年度の約24億円を大きく上回るペースで増加している。

また、コールセンターを運営する上で人件費上昇の影響は同社に限らず避けられないが、同社ではAIの導入などの業務効率化を推進するだけでなく、クライアント企業の理解を得て人件費転嫁の仕組みを導入する方針を打ち出している。契約更改のタイミングなどもあり、すべての契約が切り替わるには多少の時間が必要と思われるが、今期の減益要因の一つとなった人件費の上昇に歯止めがかかることに期待したい。

通期連結業績予想の売上収益1,046.80億円(前年比2.1%増)、営業利益91.70億円(同3.2%増)、税引前利益82.00億円(同4.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益53.20億円(同5.7%増)および期末の1株当たり配当予想18円は修正しなかった。

《TN》

 提供:フィスコ

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