【特集】出遅れ物色継続で注目の「トリプルメリット」15銘柄 <株探トップ特集>
ニチバン <日足> 「株探」多機能チャートより
―好業績・低PER・25日線プラスカイ離銘柄に照準―
3連休明け10日の東京株式市場は、外国為替市場で一時、1ドル=115円台前半まで円高・ドル安が進行。さらに、現地11日に予定されているトランプ次期米大統領の会見での発言に対する警戒感も加わって、日経平均株価は3日続落となった。ただ、好業績の出遅れ銘柄への物色意欲は根強い。そこで今回は、時価が25日移動平均線を上回っている好業績・低PER銘柄に照準を当てた。
●エフオンは、木質バイオマス発電所が順調に稼働
エフオン <9514> は、16年10月1日に商号を従来の「ファーストエスコ」から現社名に変更した。省エネ支援サービスと木質バイオマス発電を2本柱としている。同社が16年11月4日に発表した17年6月期の第1四半期(7-9月)の連結決算は、売上高20億5000万円(前年同期比37.3%増)、営業利益3億9800万円(同20.6%増)と大幅な増収増益を達成した。16年8月に商業運転を開始したエフオン豊後大野の木質バイオマス発電所が順調に稼働し売上高に寄与したことや、既存のエフオン白河、エフオン日田の発電所もトラブルなく順調に高稼働率を維持したことにより、グリーンエナジー事業が順調な拡大をみせている。
●東洋埠頭はバイオマス発電燃料搬送施設が寄与
東洋埠頭 <9351> は16年11月1日に、17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算は、売上高159億4200万円(前年同期比3.3%減)と小幅減収となったものの、営業利益は8億9200万円(同14.2%増)と2ケタ増益を達成している。通期計画の16億円(前期比5.9%増)に対する進捗率は55.7%に達している。コメやムギ、さらにタイヤ原料の扱いが減少したことで売上高は減少したものの、港湾運送事業部門で16年7月から開始したバイオマス発電燃料搬送施設が寄与していることなどが大幅営業増益に貢献している。
●ニチバンは鎮痛消炎剤などメディカル関連製品が好調推移
ニチバン <4218> は16年11月8日、17年3月期第2四半期(4-9月)の連結決算を発表した。売上高215億1000万円(前年同期比5.1%増)、営業利益18億3500万円(同24.5%増)と大幅増益を達成した。これに先立つ同10月11日、17年3月期通期の連結営業利益を37億円から40億円(前期比19.0%増)へ上方修正した。鎮痛消炎剤「ロイヒつぼ膏」が、訪日外国人観光客への販売が継続し、製品シリーズ展開とも合わせて売上高は好調に推移している。また、高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」はテレビCM放映が奏功して、ドラッグストア店頭での販売が伸長をみせている。
●大冷は、骨なし魚事業での独自商品の販売強化
大冷 <2883> は、水産物を中心に業務用冷凍食品を扱う。企画・開発に特化し、製造は国内外(日本・中国・ベトナム・タイ)の工場に委託するファブレス形態をとっている。骨を取り除いた「骨なし魚」シリーズが医療・福祉施設、介護弁当向けに好評。「骨なし魚」の開発で培った加工技術をミート事業分野にも応用し畜肉商品の開発も手掛けている。16年11月21日付で、東証2部から東証1部市場指定となった。17年3月期単独業績は、売上高279億8000万円(前期比1.7%増)、営業利益13億8900万円(同18.8%増)を見込む。骨なし魚事業での独自商品の販売強化によるシェア拡大が寄与する。
◆主な25日線超えの好業績・低PER銘柄◆
営業
銘柄 <コード> 増益率 PER 株価
富士紡HD <3104> 76.6 9.6 3450
キッツ <6498> 10.4 14.0 670
ケーズHD <8282> 14.1 12.0 2106
日本調剤 <3341> 6.4 11.1 4595
古河電池 <6937> 12.7 11.3 758
エフオン <9514> 53.8 10.0 1020
九電工 <1959> 15.1 10.4 3120
大冷 <2883> 18.8 11.4 1738
ニチバン <4218> 19.0 11.8 853
シキボウ <3109> 4.0 10.9 147
AGS <3648> 16.7 9.2 1434
東洋埠頭 <9351> 5.9 14.7 191
DCMHD <3050> 4.6 13.5 1078
レンゴー <3941> 52.6 11.1 650
橋本総業HD <7570> 14.8 11.0 1533
※株価は10日終値(単位:%、倍、円)
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