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【特集】「2万円視野の年末相場、掉尾の一振は?」日本アジア証券・清水三津雄ストラテジストに聞く!<直撃Q&A>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)
 今年も残すところ6営業日。日経平均株価は、連日で年初来高値を更新するなど相場環境は明るさを増している。そんななか、市場で期待が高まるのが年末に向けた「掉尾の一振」だ。これは、年末の相場は高くなるという日本市場のアノマリーのことだが、16年相場の最後を一段高で締めくくることはできるのか。年末年始相場のポイントを日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストに聞いた。

Q1 日経平均株価は2万円も視野に入れる強調展開を続けています。今年は「掉尾の一振」を期待していいのでしょうか?

清水 足もとの株価は、昨年末の終値(1万9033円)を上回っており、いまの水準を維持できれば1980年代のバブル期以来の5年連続の上昇となります。うまくいけば、日経平均株価は年末年始に向け2万円を超える展開が期待できるかもしれません。日経平均株価を月足ベースでみると12月は11月に続き陽線が立っており、すでに年末高の状態にあると言えます。新年相場もまだ上値は見込めそうです。その意味で、掉尾の一振には期待してもいいのではないでしょうか。

Q2 「株を枕に越年」もありですか?

清水 基本的には「バイ・アンド・ホールド」の姿勢でいいと思います。新年は1月20日のトランプ米次期大統領の就任と一般教書演説の内容が注目されています。トランプ氏の動向は気になるのですが、この相場はそう簡単に終わらないようにも見えます。2市場(東証・名証)の信用売り残は1兆円近くに達し07年6月以来の水準にありますが、売り残が膨らんでいる分、下値では買い戻しが期待できます。また、日銀のETF買いも見込め下値不安は薄らいでいます。日銀は長期金利の誘導目標を「0%程度」としており、日米金利差拡大からの円安が見込めるほか、日銀は量的緩和を続けています。さらに、新年も外国人買いは期待できます。この相場は下がっても買いは入ると思います。

Q3 年末年始相場に向けた注目セクターや銘柄は。また、年末年始相場で注意するとすれば、どんな点でしょうか?

 この時期は、年末特有の中小型株の餅つき相場が期待できます。航空券予約サイトを手掛けるエボラブルアジア<6191>のような中小型株には活発な売買が見込めます。また、大型株では三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や野村ホールディングス<8604>のような銀行・証券株に注目しています。年末年始の休暇中の海外でのテロは警戒されます。ただ、大規模なテロでない限り相場への影響は限られると思います。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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