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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

新日鉄住金 <日足> 「株探」多機能チャートより

■新日鉄住金 <5401>  2,633.5円 (+99.5円、+3.9%)

 新日鉄住金 <5401> が反発、7ヵ月半ぶりに年初来高値を更新。ここにきて市況関連株に投機資金が流れ込んだ。同社をはじめ高炉メーカーにとって原料炭価格の高騰がネガティブ要因とみられてきたが、コスト増加のデメリットについては認知が進み株価面で織り込まれつつあるようだ。同社株の時価PERは高いものの、来期以降の業績回復局面での最終利益の伸びは30%を上回るとの見方もあり修正余地が大きい。一方、0.8倍台の低PBRは、外国人投資家のバリューハンティングの対象として有力な根拠となった。また、トランプラリーの本家本元である米国株市場でも大手鉄鋼メーカーの株価上昇が顕著で、金融株同様にこの流れが東京市場に波及しているとの見方も出ている。

■福井コン <9790>  2,447円 (+73円、+3.1%)

 福井コンピュータホールディングス <9790> が大幅反発。大和証券は5日、同社株の投資判断を「1」、目標株価3600円でカバレッジを開始した。同社は、工務店向け建築3次元CADでトップシェアを誇りICT建設技術を活用する国土交通省の新たな取り組みである「i-Construction」で用いられる土木用CADで先行している。同証券では、「i-Constructionにより生み出されている需要により今来期の業績がすでに押し上げられ始めていることに加え、VR(仮想現実)の技術により新たな収益機会が訪れようとしている」と指摘。VRに絡んでは、「17年年初には同社のVRを活用したシステムが一般の建材ショールームや住宅展示場などで導入される見通し」としている。

■野村ホールディングス <8604>  695.9円 (+20.1円、+3.0%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> など大手をはじめ証券株が軒並み高。個別にも光世証券 <8617> や東洋証券 <8614> が急伸した。トランプノミクスを手掛かりとする強気相場が繰り広げられており、5日はイタリアの国民投票の結果をうけて日経平均株価はいったん調整を余儀なくされたものの、6日はすかさず切り返しに転じた。売買代金は活況の目安とされる2兆円台を5日まで18日連続で上回っており、そのうち6営業日は3兆円も上回っている。売買手数料拡大を背景に証券会社の収益環境には追い風が強く意識される状況だった。

■武蔵精密工業 <7220>  2,931円 (+84円、+3.0%)

 武蔵精密工業 <7220> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は5日、同社株の目標株価を2700円から3050円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエイト」を継続した。円安進行を受け業績予想を上方修正しているほか、アッセンブリ製品の拡大やドイツの「ハイ・ホールディング」買収による四輪事業を軸とした中長期的な成長を予想している。17年3月期の連結純利益は従来予想の63億円から77億円(会社予想53億円)、18年3月期は同95億円から105億円に上方修正している。

■日テレHD <9404>  1,981円 (+56円、+2.9%)

 日本テレビホールディングス <9404> が反発。5日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエイト」へ、目標株価を2000円から2300円へ引き上げた。テレビ業界の中で安定した視聴率確保を評価、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の485億円(前期531億7800万円)に対して従来予想の475億円から533億円へ、18年3月期は508億円から583億円へ引き上げている。

■三井物産 <8031>  1,661.5円 (+43.5円、+2.7%)

 三井物産 <8031> が4日続伸。5日、同社が英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが保有するメキシコ湾沖合の原油・天然ガス4鉱区の権益、20%を取得すると発表したことが買い材料視された。対象はルイジアナ州ニューオーリンズ市の100キロメートル沖合にある「サーシアス」など4鉱区。水深1300メートルから原油と天然ガスを産出する。埋蔵量は原油換算で約1億バレルを見込んでいる。発表を受け、メキシコ湾沖での原油権益の取得による将来的な業績への寄与に期待する買いが向かった。

■SBIホールディングス <8473>  1,469円 (+33円、+2.3%)

 SBIホールディングス <8473> が反発し年初来高値を更新。6日午前10時ごろ、ベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を行う100%子会社SBIインベストメントが、同社が運営する「FinTechファンド」を通じて、マイクロ投資プラットフォーム「セキュリテ」を運営するミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)へ出資を行ったと発表しており、業績への貢献を寄与した買いが入っている。また、これに伴い、グループ会社のSBI証券はミュージックセキュリティーズと業務提携契約を締結し、一般の個人投資家に「ふるさと投資」ファンドなどを募集する「セキュリテ」を顧客に紹介することとになったとしている。

■日本ゼオン <4205>  1,065円 (+22円、+2.1%)

 日本ゼオン <4205> が4日続伸で年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が5日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続しつつ、目標株価を1000円から1160円へ引き上げたことが好材料視された。17年3月期下期以降の為替前提を1ドル=100円から110円へ変更することなどから、18年3月期の営業利益予想を320億円から338億円へ、19年3月期を同360億円から375億円へ上方修正したことが要因としている。また、タイヤ用ゴム市場ではここ数年市況悪化が続いたが、直近ではブタジエン市況、合成ゴム市況とも上向いており、短期業績のサポートとなるほか、LiBバインダーの17年3月期売上高は前年比25%増と高成長が続くとみていることも好評価されている。

■三菱UFJ <8306>  716.2円 (+7.5円、+1.1%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> のメガバンク3社が揃って反発。売買代金は三菱UFJが出足20分で2位のトヨタ自動車 <7203> の2倍水準である200億円強をこなしており、マーケットの関心の高さを物語っている。5日はイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票で改憲反対派が勝利し、レンツィ首相の辞意表明で波乱含みの展開。しかし、5日の欧米株市場ではイタリアを除いて総じて堅調な動きだったことで、投資家の不安心理が後退している。欧州金融市場への波乱懸念を背景として東京市場でも銀行セクターは売りを浴びたものの、6日はその反動で買い戻された。

■オムロン <6645>  4,510円 (+45円、+1.0%)

 オムロン <6645> が4日続伸し、連日で年初来高値を更新した。SMBC日興証券が5日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を4100円→4900円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、半導体メーカーの設備投資回復などを背景に、FA関連機器の需要は現地通貨ベースで堅調に拡大していると指摘。また、足元の急速な円安進行を受けて、為替レート前提を1ドル=110円(従来100円)、1ユーロ=115円(従来110円)に変更した。同証券では、制御機器事業の業績拡大や為替影響を踏まえ、17年3月期の連結営業利益を491億円→615億円(会社計画は550億円)、18年3月期を551億→706億円、19年3月期を620億円→782億円にそれぞれ上方修正した。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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