【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):塩野義、東芝、任天堂
塩野義 <日足> 「株探」多機能チャートより
塩野義製薬<4507>が反発。24日、徳島大学との間で、脳卒中後遺症の麻痺軽減を目指したボツリヌス毒素製剤に関するライセンス契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入っている。今回締結したライセンス契約は、大阪府立大学・小崎俊司名誉教授(現徳島大学客員教授)と、徳島大学医歯薬学研究部・梶龍兒教授の研究から見いだされた新規のA2型ボツリヌス毒素について、製剤の開発・製造・販売権を取得するというもの。ボツリヌス毒素は、筋肉の過度な収縮を抑えることが知られており、脳卒中後の痙縮(けいしゅく)に対し、標的患部にボツリヌス毒素を投与することにより筋肉の収縮をやわらげ、リハビリテーションの実施の助けとなる治療法の一つとして確立されている。
■東京応化工業 <4186> 3,850円 +40 円 (+1.1%) 本日終値
東京応化工業<4186>が堅調。24日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「ニュートラル」継続、目標株価を2900円から3300円へ引き上げた。高密度実装材料とKrFレジストの好調により17年3月期は会社計画の94億円(前期124億3800万円)に対して従来予想の86億円から98億円へ、18年3月期は112億円から123億円へ引き上げている。
■東芝 <6502> 410.3円 +4.1 円 (+1.0%) 本日終値
東芝<6502>が3日続伸、年初来高値を更新した。同社は、24日、野村不動産ホールディングス<3231>傘下のNREG東芝不動産と東京海洋大学から、両社が共同研究をしている実験船「らいちょうN」に搭載する純水素燃料電池を受注し納入したことを発表した。今回同社が納入したのは、出力3.5キロワットの定置用純水素燃料電池2台。純水素燃料電池は、水素をそのまま燃料とするため、CO2を発生させずに発電することができるほか、短時間で発電を開始することが可能。
■任天堂 <7974> 27,865円 +230 円 (+0.8%) 本日終値
任天堂<7974>が反発。来月15日から配信予定のスマートフォン用ゲーム「スーパーマリオラン」の収益寄与が予想されるほか、来年3月に携帯型ゲームへの展開もできる次世代ゲーム機「ニンテンドー スイッチ」を投入予定にあり、来期の業績成長に期待が大きい。また、家庭用ゲーム機では「ニンテンドークラシックミニ」の販売好調でこれも株価の押し上げ要因となっている。さらに、東南アジアやインドでポケモン人気が再燃していることから、市場関係者の間では「関連グッズなどのライセンス契約数の拡大がポジティブ材料として意識されそうだ」との見方も出ている。
■日立化成 <4217> 2,541円 +13 円 (+0.5%) 本日終値
日立化成<4217>は連日の年初来高値更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が24日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を1950円から2150円へ引き上げたことが好材料視されている。産業用電池システムなど一部の製品が下期型だが、円高進行を考慮(同証券予想の為替前提1ドル=100円)し、17年3月期営業利益は会社予想の500億円を下回る490億円と予想。ただ18年3月期は、機能材料部門ではLiB負極材、先端部品・システム部門では産業用電池システムなどが牽引役になると想定し同530億円を予想している。
■日清紡ホールディングス <3105> 1,122円 +5 円 (+0.5%) 本日終値
日清紡ホールディングス<3105>が続伸。24日、傘下の日清紡メカトロニクスがNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトにおいて、高効率熱電ハイブリッド太陽電池モジュールを開発し、静岡県掛川市の大東温泉シートピアで実証試験を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。NEDOでは、太陽光発電の大量導入実現に向けて、導入先となる設置場所や用途を拡大していくことが重要であるとの観点から、「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」を推進。そのプロジェクトの中で、日清紡メカトロニクスが発電効率と集熱効率の総和が78.0%(発電効率15.5%、集熱効率62.5%)の性能を発揮する高効率熱電ハイブリッド太陽電池モジュールを開発したというもの。実証試験では、開発したモジュールを140枚組み込んだ日本最大規模の試験システムを用いて来年2月まで行い、性能および信頼性の検証を進め、実用化を目指すとしている。
■ファナック <6954> 19,535円 +85 円 (+0.4%) 本日終値
ファナック<6954>が続伸。24日付で岡三証券がレーティングを「中立」から「強気」へ引き上げ、目標株価を2万2700円に設定した。16年末に投入がスタートするIoTプラットフォーム「FIELD System」は、製造業の現場において具体的な IoTソリューションとして採用が広がる可能性が高いとし、短期的な業績への寄与は限定的ながら将来的に同社の業績をけん引するポテンシャルのある事業が始まることはポジティブな評価が可能と指摘している。
■アイネス <9742> 1,166円 +4 円 (+0.3%) 本日終値
24日、アイネス <9742> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.89%にあたる50万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月1日から17年2月22日まで。
■総合メディカル <4775> 3,435円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
総合メディカル<4775>が3日続伸。24日の取引終了後、関東圏を中心に調剤薬局91店舗を展開するみよの台薬局グループの株式を12月26日付で取得し、子会社化すると発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。なお、取得価額の総額はアドバイザリー費用などを含め82億6300万円。また、17年3月期業績への影響は軽微としている。
■三井不動産 <8801> 2,694円 -76 円 (-2.7%) 本日終値
三井不動産<8801>や住友不動産<8830>、東京建物<8804>など不動産株が安い。ドイツ証券は24日、3社のレーティングを「バイ」から「ホールド」に引き下げた。急激な円安による期待インフレ率の高まりで、三井不を含めた不動産セクターは大きく反発したが、株価上昇を受け投資評価を引き下げている。同証券では、「マイナス金利政策でデフレ化が促進されるなか、イールドカーブ・コントロール導入で金利上昇という矛盾した政策は不動産セクターにとって悪夢のシナリオとなる可能性が高い」と日銀の金融政策に対して警戒感も示している。
●ストップ高銘柄
HMT <6090> 1,457円 +300 円 (+25.9%) ストップ高 本日終値
ブレクスルー <2464> 411円 +80 円 (+24.2%) ストップ高 本日終値
第一化成 <4235> 867円 +150 円 (+20.9%) ストップ高 本日終値
安永 <7271> 877円 +150 円 (+20.6%) ストップ高 本日終値
日本アジア投資 <8518> 504円 +80 円 (+18.9%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース