【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):カシオ、大阪チタ、関電化
カシオ <日足> 「株探」多機能チャートより
カシオ計算機<6952>が大幅続伸。腕時計やデジタルカメラなどに展開するが、売り上げの7割を海外で稼いでおり、足もと急速に進む円安が採算改善効果をもたらすものとして注目されている。また、国内では円安進行が呼び水となって高級時計中心にインバウンド需要復活期待も浮上、11月初旬に17年3月期の連結営業利益を480億円から305億円(同27.7%減)に大幅下方修正しているが、通期想定為替レートを1ドル=103円で設定しており、上振れする可能性が出ている。
■大阪チタ <5726> 1,748円 +84 円 (+5.1%) 本日終値
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>、東邦チタニウム<5727>が急伸。中国経済の景気減速懸念が足もと後退しているほか、米国ではトランプ次期大統領が大規模なインフラ投資の拡大を掲げていることで建材原料である金属市況が上昇基調を強め、非鉄関連銘柄への物色人気につながっている。そのなか、スポンジチタンについては増産指向にある航空機業界向けに出荷が増勢で来期以降の業績回復に期待する動きがここにきての株価急上昇に反映されている。大阪チタは昨年6月に3800円近い高値をつけているほか、東邦チタニウムも1700円目前まで買われた経緯があり、両銘柄とも天井の高さが意識されている。
■関東電化工業 <4047> 902円 +42 円 (+4.9%) 本日終値
関東電化工業<4047>が急動意。半導体メモリー向けなどに特殊ガスを生産するが、ビッグデータの普及で高速アクセスが可能な3次元NAND型メモリーの需要が急拡大するなか収益恩恵が期待されている。3次元NANDは韓国サムスン電子や国内では東芝<6502>が普及のカギを握るとされる64層製品の開発を進捗させる一方、工場建設などの新設備増強を急いでいる。同メモリーはチップ構造が複雑な分だけ特殊ガスも通常より増量効果が見込まれ、関電化にとっても今後ポジティブな環境が予想される。
■ワコム <6727> 306円 +12 円 (+4.1%) 本日終値
ワコム<6727>が3日続伸。ペンタブレットで世界トップシェアを誇るが、一部製品ラインの開発遅延が尾を引いて今期業績予想を大幅下方修正。最終赤字転落予想の発表を受けて11月10日にマドを開けて急落したが、260円を底値に出直り局面に移行している。業績悪は株価にいったん織り込んだかたち。海外売上比率は8割を超えており、足もと急速に進む円安の好影響が考慮される。25日から始まった米国の年末商戦「ブラックフライデー」で目玉商品となるのがタブレット。ここにきてのジリ高はブラックフライデー関連の一角として連想買いが寄与している面もあるようだ。
■住友化学 <4005> 531円 +15 円 (+2.9%) 本日終値
住友化学<4005>が5日続伸。日経平均と歩調を合わせて11月10日以降急速な戻りをみせていたが、上値のフシとなっていた10月28日の戻り高値517円を抜いたことで上げ足に弾みがついている。16年4~9月期は営業利益段階で472億5400万円と前年同期比4割減少、通期予想も従来見込みの1400億円から1200億円(前期比27%減)に下方修正したが、株価は既に織り込み来期の回復にマーケットの視線は移行している。来年は米アップルのiPhone新機種への採用などで有機EL市場の急拡大が予想されている。住友化は有機EL向けでガラス製タッチセンサーパネルの生産能力増強に動く方針にあり、新たな収益成長エンジンとして注目されている。証券系調査機関の投資評価も総じて強気見通しを堅持するところが多い。
■ダイワボウ <3107> 290円 +8 円 (+2.8%) 本日終値
ダイワボウホールディングス<3107>が続伸し連日の年初来高値更新。東京都では24日、都内のインフルエンザ定点医療機関からの患者報告数(11月14日~20日)が、流行開始の目安となる定点当たり1.0人を超え、インフルエンザの流行が始まったと発表したこと受けて、関連銘柄の一角である同社に物色の矛先が向かっている。また、21日には環境省が鳥インフルエンザの警戒レベルを最高の「3」に引き上げたことも株高を後押ししそうだ。
■ダイヘン <6622> 711円 +19 円 (+2.8%) 本日終値
ダイヘン<6622>が反発、年初来高値を更新した。24日付でみずほ証券が投資判断「買い」継続、目標株価を680円から800円へ引き上げた。半導体機器の会社利益計画は保守的とし、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の80億円(前期93億2900万円)に対して従来予想の84億円を据え置いているが、18年3月期は93億円から100億円へ引き上げている。
株探ニュース