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【特集】「年末1ドル=112円へ、トランプトレードの注目点」外為どっとコム総研・神田部長に聞く!<直撃Q&A>

神田卓也氏(外為どっとコム総合研究所 調査部長)
  ドル円相場が1ドル=109円台での強調展開が続いている。米大統領選後、急激なドル高が進むなか16日には109円76銭まで急伸。110円を視野に入れる水準まで上昇したが、この日は高値警戒感も台頭し上げは一服した。「トランプトレード」とも呼ばれるドル急反騰相場を探るうえでの注目点は何か。外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長に聞いた。

Q1 米大統領選後、ドルは一時109円後半まで急騰しました。17日はドル高がやや一服していますが、これまでの動きをどう見ていますか?

神田 米大統領選に関してはトランプ氏の勝利も、その後のマーケットの反応も予想外だった。特に、101円台まで円高が進行した後、鮮やかに切り返したことは想定外だった。急激なドル高が進んでいるが、市場は新政権の減税と財政拡張による景気拡大を期待していると思う。これまでの動きは12年の安倍政権誕生の際のドル円相場に似ているように見える。当時も、市場は期待先行で実現性は疑問、との評価が多かった。しかし、そのなか「アベノミクス」に対する期待で大幅なドル高・円安が進んだ。年末は季節的にもドルの需要が高まりやすい時期でもある。それだけに当面、ドル高基調は続くとみている。

Q2 今後のトランプトレードをみるうえでの注目点は?

神田 米国はほぼ完全雇用の状況にある。ここに拡張的な財政政策が実施されればインフレ懸念が台頭し長期金利は上がりやすい状況となる。ただ、当面は財政赤字拡大やインフレ懸念よりも、景気拡大への期待が強い。今後の焦点は、いつ懸念が期待を上回ってしまうかだろう。もっとも、いまは新政権が発足もしていない状態であり、期待の腰折れが表面化するのはまだ先だと思う。新政権が発足後の100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、批判的な報道も控えられることが多い。このため、春先までは期待感が先行することが予想される。

Q3 年末年始に向けてのドル円相場の予想は。また、ユーロの見通しは?

神田 年末のドル円は112円前後を想定している。これは今年4~5月にいったんもみ合った水準にあたる。新年も、トランプ政権への期待は続くとみており3月末にかけて115円前後へのドル高・円安を見込んでいる。

 ユーロは、金融政策への期待はあるものの、政治面の混乱が売り材料となる懸念がある。12月はイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が予定されているほか、来年にはフランスの大統領選やドイツ総選挙などが予定されている。トランプ氏の勝利を経て、極右政党などが勢いづく可能性もある。ユーロは、年末にかけ1ユーロ=1.05ドルへの下落を予想する。新年は、選挙の結果次第ではパリティ(1.0000ドル)前後まで下落することもあり得るとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(かんだ・たくや)
外為どっとコム総合研究所、取締役、調査部長。1987年福岡大学法学部卒業。第一証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場での為替・資金・デリバティブなどの取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月、同研究所入社。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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