【特集】清水三津雄氏【米大統領選9日「勝敗」判明、その後の展開は?】(2) <相場観特集>
清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)
―年末相場に向け市場の視線はファンダメンタルズへ―
東京市場は11月相場入り早々にリスクオフの潮流にもまれる格好となった。しかし、週明け7日はバランスを立て直し、再度上値指向にある。足もとは米大統領選に絡み上下に値動きが荒くなっているが、ここを通過すれば日本企業のファンダメンタルズに必然的に市場の視線が集まることになる。企業の決算発表を横にらみに分析力に定評のあるマーケット関係者3人に年末相場を占ってもらった。
●「年末相場に向け1万8500円視野も」
清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)
東京株式市場は、年末・年始相場に向け日経平均株価が1万8500円を目指す強含みの展開を想定している。
足もとでの決算発表の結果は順調であり、世界的にみて出遅れ感のある日本株は再評価余地が膨らんでいる。
米大統領選は民主党のクリントン候補の勝利をメインシナリオとみている。同氏が大統領に決まったとしても、株価が急騰することはないだろうが、通常のマーケットに戻ることに伴い、日本株には見直し買いが入るだろう。年末に向け日本株市場は、昨年末の1万9000円の水準も意識されるとみている。
トランプ氏が勝利した場合、市場は6月のBrexit(英国のEU離脱)の再現を意識し、一時的に急落があるかもしれない。ただ、米大統領になることで、より現実的な政策を打ち出さざるを得なくなり、売り一巡後は株価も値を戻す展開が予想される。
こうしたなか、当面の物色動向としては政策絡みの内需株に注目している。東京五輪に向け公共投資増の追い風が続く建設株や人手不足のなか人材流動化の進展が見込める人材サービス関連株など面白そうだ。
建設株では、土木の五洋建設 <1893> やライト工業 <1926> 、西松建設 <1820> など、人材サービスではテンプホールディングス <2181> やJPホールディングス <2749> などに妙味がありそうだ。
また、年末に向けソニー <6758> や任天堂 <7974> といったゲーム関連も注目される。出遅れ感からメガバンクにも見直し余地があるとみている。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。
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