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【特集】大谷正之氏【米大統領選9日「勝敗」判明、その後の展開は?】(3) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―年末相場に向け市場の視線はファンダメンタルズへ―

 東京市場は11月相場入り早々にリスクオフの潮流にもまれる格好となった。しかし、週明け7日はバランスを立て直し、再度上値指向にある。足もとは米大統領選に絡み上下に値動きが荒くなっているが、ここを通過すれば日本企業のファンダメンタルズに必然的に市場の視線が集まることになる。企業の決算発表を横にらみに分析力に定評のあるマーケット関係者3人に年末相場を占ってもらった。

●「機械セクターなど輸出関連銘柄を見直し買い」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 きょう日本時間の早朝に、米連邦捜査局(FBI)が私用メール問題で再捜査していた民主党のクリントン大統領候補の訴追を求めない方針と伝えられ、ひとまず大統領選を巡る不透明感が後退したことで、日経平均株価は大幅反発した。ただ、クリントン大統領誕生となっても、原油価格が低迷するなかで迎える11月末のOPEC(石油輸出国機構)総会や、FOMC(米連邦公開市場員会)など重要イベントが相次ぐこともあり、一本調子の上昇とはならないだろう。

 外国為替市場で10月下旬には、一時1ドル=105円台をつけたが、その時の日経平均株価は1万7400円台だった。この水準を突破するためには、さらなる円安・ドル高が条件となりそうだ。当面は、4月25日の取引時間中の高値1万7613円奪回が目標となり、これが実現するとテクニカル面でWボトムを形成し、新たな上昇局面を迎えることになる。年内には1万8000円台乗せも十分期待できそうだ。

 17年3月期第2四半期累計(4-9月)の決算発表は佳境を迎え、その内容により個別で明暗を分けているが、円相場が1ドル=105円前後の水準となってきたことで、下期の業績見通しへの円高によるマイナス影響はほぼ出尽くしと判断されており、輸出関連銘柄に見直し買いの好機が訪れそうだ。なかでも、中長期で調整局面となっていた銘柄の多い機械セクターに目を向けたい。同じ輸出関連のなかでも、出遅れ感のある銘柄に注目してみたい。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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