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【特集】有沢正一氏【決算本格化目前、秋相場のシナリオを読む】(2) <相場観特集>

有沢正一氏(岩井コスモ証券 投資調査部副部長)

―続く閑散相場、東京市場の風景はどう変わる―

 東京株式市場は、相変わらずの閑散商状ながら日経平均株価は底堅い動きをみせている。1万7000円台回復からの強調展開を期待したいのはヤマヤマなれども、企業の上期決算発表本格化を前に警戒感も拭い切れないのが現状だ。秋相場深まりゆくなかで東京市場の風景はどう変わっていくのか? 相場見通しに定評のあるマーケット関係者3氏にその読み筋を語ってもらった。

●「年末に向けて小型成長株の反発に期待」

有沢正一氏(岩井コスモ証券 投資調査部副部長)

 原油相場の上昇などを受けて世界的にリスクオンのムードが強まりつつあり、為替相場など外部環境の落ち着きが日本株の支援材料になりそうだ。米大統領選を波乱なく通過すれば年末高に向けての態勢が整うことになる。

 国内では、来週から本格化する3月期決算企業の第2四半期決算発表が個別物色の手掛かりを与えてくれることになる。前年と比較した円高の影響で業績見通しを下方修正する企業も多いだろうが、下期以降の業績改善を織り込むような前向きな動きを期待したい。

 新興市場などの小型成長株の中で値を飛ばすものが目立ってきた。東証マザーズ指数は4月に高値を付けてから、6ヵ月を迎えようとしており、調整一巡と需給面でのアク抜け感から反発の機が熟してきたようだ。

 経験則では、新興市場は年末年始にかけて上昇する傾向が強い。政策関連などの小型成長株は、内需系の企業がほとんどで為替変動のリスクを警戒しなくて良いのも好都合だ。上値の重い指数や主力株を横目に、小型成長株の反発トレンドが力強さを増してくるのではないだろうか。

(聞き手・加藤智)

<プロフィール>(ありさわ・しょういち)
1981年大阪府立大学経済学部卒業。89年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2012年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。

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