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【特集】小川英幸氏【外国人売り凌駕、日本株浮上のシナリオを読む】(2) <相場観特集>

小川英幸氏(光世証券 本店コンサルティンググループ 課長代理)

―下期入り東京市場、上値メド・期待銘柄は?―

 16年度下期相場入りとなった東京市場は、終始買い優勢で日経平均株価は反発に転じた。しかし、薄商いが際立つなか上値追いに自信の持てない展開が続く。最大の不安材料は外国人の日本株に対する売り姿勢だ。果たして秋から年末に向けた2016年相場の最終コーナーで日経平均は加速するのか失速するのか、第一線で活躍する市場関係者のプロの視点を紹介する。

●「日本株売り圧力は徐々に弱まる」

小川英幸氏(光世証券 本店コンサルティンググループ 課長代理)

 足もと、ウェルズファーゴ、ドイツ銀などの問題が金融システム全体に拡大することや、米大統領選でのドナルド・トランプ候補の米大統領就任の可能性など、リスクばかりが意識される局面にある。

 しかし、その割に株価は下がり難い展開となっている。一方、日経平均やTOPIXのチャートに目をやると、昨年12月に下回った200日移動平均線に接近し、徐々に値幅が狭くなっていることから、上抜けの可能性が感じられる。今後、現在リスクとして認識されている要素が消えるに従い株価は強含み、200日移動平均線を上回る展開となるだろう。

 現在、多くの投資資金が現金で口座に置かれている状態にある。それは資産が割高であるということが理由のようで、そのため株価が一時的に値下がりしても、すぐに戻るという展開になっている。このような買いたい弱気資金があることから、株価の下値は限定的な状況が継続的に存在する。日経平均などの指標が200日移動平均線を超えると、これらの資金は株価の上昇に乗り遅れたくないため、買いを急ぎ始めるだろう。

 今年に入って売り越しを見せている海外勢だが、その大部分は産油国の資金であると推測される。先月OPECは漸く減産に合意した。これにより、原油価格は50ドル付近まで戻し、産油国の資金繰りも若干改善する可能性がある。そのため、日本株売り圧力も徐々に弱まる可能性が高い。

 近く株価上抜けを確実にするのは、米国の大統領選挙でヒラリー・クリントン候補が勝利することだろう。先のテレビ討論会ではクリントン候補が有利だったとする意見が多いが、支持率の差は未だ僅少で、トランプ候補の当選リスクは市場で強く意識されている。トランプ当選リスクから解放されれば、FRBも政策金利を引き上げることが可能となり市場には安心感が広がるだろう。

 注目している株価材料としては石炭価格の上昇が挙げられる。そのため、石炭関連銘柄の物色が年末に向けリターンを得られる投資となる可能性が高い。

(聞き手・加藤智)

<プロフィール>(おがわ・ひでゆき)
1977年滋賀県生まれ、2000年滋賀大学経済学部卒。光世証券入社後、先物オプションや現物の自己売買部門を経て、2015年12月からコンサルティンググループに所属。

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