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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~資金回転が利いている中小型株での値幅取り狙い

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・資金回転が利いている中小型株での値幅取り狙い
・ドル・円は100円55銭付近、ドル底堅い、買戻し継続で値を戻す展開
・ニトリ、川崎汽船など6社の目標株価変更


■資金回転が利いている中小型株での値幅取り狙い

日経平均は大幅反落。257.32円安の16426.61円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えている。27日の米国市場は、大統領選候補による討論会で、ヒラリー候補が優勢との見方から、政治の先行き不透明感が和らいだとして、NYダウが3日ぶりに反発。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の16465円と冴えない展開となり、円相場は1ドル100円40銭辺りと前日の水準からは若干円高に振れて推移していた。中間期末配当の落ち分が120円程度とみられていることもあり、売り先行で始まった。

16500円近辺で始まった日経平均だが、保険や銀行、証券といった金融セクターの弱さが目立つ中、じりじりと下げ幅を拡大。前場半ばには一時16385.03円と16400円を下回る局面もみられている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割強を占めている。セクターでは金融セクターのほか、電力ガス、輸送用機器、海運、石油石炭、陸運などが冴えない。一方で、ゴム製品、水産農林が小じっかり。

配当落ちの影響はあるとは言え、日経平均はあっさり一目均衡表の雲上限や転換線を割り込んでいる。遅行スパンは実線を割り込んできており、下方シグナルを発生させつつある。後場は日銀のETF買入れからリバウンドが意識されるものの、前日のような戻りをみせられないと、戻り待ち狙いの仕掛け的な売りが出やすいと考えられる。

物色については、足元で資金回転が利いている中小型株での値幅取り狙いの売買が続くとみておきたい。都議会や来週からのシーテック、ノーベル賞、国慶節を手掛かりとしたテーマ株の一角にも短期資金が向かいやすいとみておきたい。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は100円55銭付近、ドル底堅い、買戻し継続で値を戻す展開


28日午前の東京外為市場では、ドル・円は底堅い値動き。買戻しが続き100円60銭台まで値を戻した。ドル・円は100円30銭台で寄り付いた後にやや売られ、一時100円26銭まで値を下げた。その後は値ごろ感によるドルの押し目買いが観測され値を戻す展開となった。米利上げの不透明感からドル買いは入りにくい地合いのなか、ポジション調整の買戻しが続いた。

ただ、昼にかけては材料難で伸び悩んだ。日経平均株価が配当落ちの関係で大きく下落したほか、ランチタイムの日経平均先物も下げ幅を拡大しており、ドルの買戻しは目先弱まりそうだ。また、上値の重さが意識されるとドル売りに転じる可能性もあるだろう。

ここまでのドル・円は100円26銭から100円66銭、ユーロ・円は112円46銭から112円81銭、ユーロ・ドルは1.1206ドルから1.1220ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は100円55銭、ユーロ・円は112円72銭、ポンド・円は130円73銭、豪ドル・円は77円15銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・ニトリ<9843>、川崎汽船<9107>など6社の目標株価変更

・値下がり寄与トップはKDDI<9433>、2位ソフトバンクG<9984>、2銘柄で日経平均を約41円押し下げ

・保険株、銀行株の下げ目立つ

・シルバーエッグ<3961>、ビーマップ<4316>、シグマクシス<6088>など6社がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます


☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・衆参本会議(代表質問)


<海外>
・15:00 独・10月GFK消費者信頼感指数(予想:10.2、9月:10.2)
・OPEC非公式会合開催予定

《WA》

 提供:フィスコ

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