【経済】中国企業のIC・電子部品調達が3割増、16年は45兆円に拡大へ
経済の安定成長や電子機器のスマート化を背景に、中国の集積回路(IC)・電子部品需要は拡大を続ける見通しだ。市場調査会社の易観智庫(エンフォデスク)によると、中国国内の企業によるIC・電子部品調達額は今年、前年比27.0%増の約3兆人民元(約45兆円)に膨らむ見込みという。その後も3割前後の伸びを持続し、2018年には5兆人民元を超えるとみられている。
易観智庫のデータによると、世界的な金融危機の後、IC・電子部品の調達額は成長ペースが大幅に鈍化した。09年の時点では前年比32.8%の成長率を記録していたが、製造業の不振を受けて10年には14.3%まで減速。その後は11年が13.7%、12年が3.3%、13年が3.9%という水準だった。ただ、中国政府が景気対策に力を入れる中、14年は16.0%増と2ケタ成長を回復。15年は24.1%増の2兆4000億人民元へと拡大した。
足元でIC・電子部品の需要をけん引しているのは、スマートフォンやウェアラブル端末などのモバイル機器やスマートテレビをはじめとするスマート家電、車載エレクトロニクス製品などだ。これらの製品に加えて、今後はロボット、無人機(ドローン)、ネットワークカメラといった市場が急拡大するのに伴い、IC・電子部品の需要が高まる見込みという。
例えば無人機市場では、易観智庫の予測によると、16年の販売額が前年比66.7%増の40億人民元に膨らむ見通し。成長ペースは前年の60.0%から6.7ポイント加速する計算だ。17年は72.5%増の69億人民元、18年は63.8%増の113億人民元と、その後も高成長が続くとみられている。
※芯智HD(スマート・コア・ホールディングス:2166/HK)の上場目論見書から作成した。同社は広東省深セン市に拠点を置く半導体商社。各種スマート端末やモバイル端末、車載エレクトロニクス製品に使用されるIC、電子部品の販売を手がける。台湾の晨星半導体(MStar)などから商品を調達し、中国国内の電子機器メーカー向けに販売。販売モデルにはOAO(オンライン・アンド・オフライン)を採用し、国内7カ所の営業所とB2Bプラットホーム「芯智雲城」を販売チャネルとする。
【亜州IR】
《ZN》
提供:フィスコ