【経済】中国:ネット通販で食品消費が3割増、出前情報サイトも健全化へ
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
インターネットを介した飲食消費が急ピッチに伸びている。今年1~8月の全国小売売上高は、ネット通販が前年同期比26.7%増の3兆210億人民元(約45兆9600億円)に達した。うち実物商品のネット販売は、25.5%増の2兆4347億人民元に上る。全国小売売上高(10.3%増の21兆505億人民元)の11.6%にまで拡大している。実物商品ネット販売の伸びは、食品類で30.3%、服飾類で16.9%、各種用品で38.5%を記録したという。中国経済網などが伝えた。
国家統計局の中山チームが156人の消費動向を調査したところ、うち34.6%はネット通販の食品購入額が月額平均で100人民元を超過。市民生活のグレードアップが続くなか、生鮮食品、出前が消費をけん引している実態が映し出された。
足元の事業環境は厳しいものの、フードデリバリー仲介サイト運営の伸び代は大きいとみられる。市場調査会社の艾媒諮詢(iiメディア・リサーチ)の発表した研究リポートによると、中国の生鮮Eコマース市場規模は2018年に1000億人民元の大台を突破する見込みという。
数年にわたる淘汰期を経て、フードデリバリー仲介サイトは、すでに大手3~4プラットフォームに集約された。上位は百度(BIDU/NASDAQ)系の「百度外売」、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)系の「餓了麼」、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)系の「美団外売」。これらに加えて、北京時尚人家網絡科技有限公司傘下の「到家美食会」のプレゼンスが大きい。うち餓了麼は今月12日、1日当たりの平均注文額が2億人民元の節目を超えたと発表した。経営状況は損益分岐点近くまで回復してきている。
市場の浄化も進む見込み。すでに国家食品薬品監管総局は、インターネットを介在した食品安全違法行為を排除する法律を策定した。今年10月1日から施行される。営業許可を得ていない違法経営飲食業者は、出前情報サイトから削除される予定だ。
【亜州IR】
《ZN》
提供:フィスコ