【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ニチレイ、電通、富士通
ニチレイ <日足> 「株探」多機能チャートより
ニチレイ<2871>が大幅続伸。同社は低温物流と冷凍食品でトップシェアを誇る業界の老舗。ここ為替の円高進行が原料コストの低減につながり収益にプラスに働いているほか、生産効率の改善も利益を生み出している。消費者のデフレマインドが再燃するなかで、サラリーマンなどの食事も外食から弁当へのシフトが顕在化する方向にあり、冷食需要の拡大は同社にとって追い風となる。17年3月期営業利益は前期比横ばいの217億円を予想しているが、保守的で増額修正余地も指摘されている。
■電通 <4324> 5,430円 +120 円 (+2.3%) 本日終値
電通<4324>が反発。同社はこの日、コーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」を通じてスポーツ観戦向けVRプラットフォームを開発する米国のライブライク社に出資することを発表した。ライブライク社のプラットフォームで、放送局やスポーツチームは、VR撮影専用の設備を用意しなくても、既存の映像設備の活用でライブVR配信が可能になる。今後拡大が見込まれるスポーツVR市場において、ライブライク社のようなテクノロジーを有するスタートアップとの連携により、放送コンテンツの付加価値創造やVR空間のマーケティング活用など新しいビジネスモデルへの挑戦が可能になると期待している。
■富士通 <6702> 547円 +10.8 円 (+2.0%) 本日終値
富士通<6702>が続伸。同社は21日、日本バスケットボール協会(JBA)および、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)とパートナー契約を締結したと発表した。 同社は、デジタル技術を活用して人々をエンパワー(力づける)する「ヒューマンセントリック・イノベーション」というビジョンに基づき、バスケットボールのプレイヤーや指導者などを対象とした「データ・マネジメントサービス」や、ファンへのタイムリーな情報提供を実現する「デジタルマーケティングプラットフォーム」、プレイヤーのスキルやチーム力の向上、視聴者に新たな視聴スタイルを提供する「スマートアリーナソリューション」などのICT(情報通信技術)を提供する。これにより、JBAおよびB.LEAGUEを支え、日本のバスケットボールの発展をサポートするとともに、アリーナを中心としたより安心安全で快適なまちづくりを通じ、B.LEAGUEが目指す地方創生に貢献していく。
■三菱商事 <8058> 2,156円 +32 円 (+1.5%) 本日終値
JPモルガン証券は、16日付の三菱商事<8058>についてのリポートで「ローソン<2651>子会社化を正式公表、子会社化によるシナジーについては現状では評価が難しい」として、以下のような見解を掲載している。16日、三菱商事はローソンの公開買い付けおよび子会社化について正式公表を行った。三菱商事とローソンの連携強化によるシナジー創出やローソンのオーガニック成長強化など、子会社化による戦略上の狙いについて説明はされたものの、1440億円の追加投資による追加リターンの定量面での詳細はなく、この点については不透明感が残る。ただし、今回の投資は(1)同社が掲げる事業投資から事業経営へのシフトを図る狙いであることや(2)キャッシュフロー経営をベースに資産入れ替えも予定しており、今後キャッシュ収支のバランスを図る方向であることは、通期見通しの上方修正に伴う株主還元強化の可能性を残すこととなり、一定の安心感を与えた。引続き、商社株におけるトップ推奨との位置づけは不変。
■神鋼環境ソリューション <6299> 395円 +5 円 (+1.3%) 本日終値
20日、神鋼環境ソリューション <6299> [東証2]が17年3月期上期(4-9月)の連結経常損益を従来予想の7.5億円の赤字→0.5億円の黒字(前年同期は6.3億円の黒字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなったことが買い材料。子会社の大幅増益に加え、下期に見込んでいたコスト削減が想定より早く実現したことが寄与する。経費や研究開発費の発生が後ずれすることも利益上振れにつながる。
■東京製鐵 <5423> 688円 -14 円 (-2.0%) 本日終値
東京製鉄<5423>が続落。同社は20日、鋼材全品種を値下げすることを明らかにした。下げ幅は品種により4~13%で10月契約分からが対象。鋼材需要の回復が遅れており、値下げをテコに受注拡大を狙う方針だ。この値下げ実施に対して、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は20日、「印象はネガティブ」と指摘。「スクラップ価格が上昇する局面での製品価格値下げは下期業績を予想するうえで厳しい内容」とみている。
■レーザーテック <6920> 1,831円 -8 円 (-0.4%) 本日終値
半導体関連装置の受注環境良好レーザーテック<6920>は、8月31日に年初来高値2118円を付けたあと、調整しているが、一巡感台頭から再度高値更新を狙う動きが期待できそうだ。半導体用マスクブランクス欠陥検査装置や高精細FPD用フォトマスク欠陥検査装置などで高シェアを誇るが、足もとで17年に本格量産が予定される10ナノメートル世代向け投資が継続していることや3DNAND向け大型投資が予定されていること、さらに有機EL投資が盛り上がっていることなどを背景に受注環境は良好。これを受け会社側では17年6月期売上高を過去最高の171億円(前期比11.8%増)と見込む。一方、利益面では研究開発費やその他販管費の増加などで、経常利益は37億円(同19.1%減)の見込み。ただ、大手ファウンドリの業績貢献は、顧客の投資規模や納入時期などに不透明感があり、保守的に組み入れたもようで、上振れの可能性もある。(仁)
■アンジェス MG <4563> 285円 +54 円 (+23.4%) 本日終値
アンジェス MG<4563>が続急伸。同社はきょう、高血圧DNAワクチンに関する特許が米国で成立したと発表。これが材料視されているようだ。この特許は、血圧を上昇させる作用を持つアンジオテンシン2に対する抗体を体内で作り出し、アンジオテンシン2の働きを抑えることで高血圧を治療することを目的としたDNAワクチンに関する物質特許。高血圧DNAワクチンに関する主要な特許のひとつが成立したことから、今後は早期の実用化に向けた臨床開発の開始を計画している。
■パレモ <2778> 317円 +55 円 (+21.0%) 一時ストップ高 本日終値
20日、パレモ <2778> [JQ]が17年2月期上期(3-8月)の経常利益(非連結)を従来予想の3.7億円→6億円に60.8%上方修正。増益率が35.9%増→2.2倍に拡大する見通しとなったことが買い材料。品揃えの最適化に加え、好天に恵まれたことで客数が伸び、既存店売上高が前年同期を4.1%上回ったことが寄与。不採算店舗の閉店を進めたことも利益上振れに貢献した。上期増額分を上乗せする形で、通期の経常利益も従来予想の3.9億円→6.2億円に57.0%上方修正した。
株探ニュース