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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 日米金融会合前の波乱は「絶好の買い場」

株式アドバイザー 北浜流一郎

「日米金融会合前の波乱は「絶好の買い場」」

●米9月利上げ観測に「黄信号」

 東京市場お定まりの月初めの波乱はなかったものの、3週目入りから日経平均株価は急失速、15日には目先の下値支持線となっていた1万6500円をも割り込んでしまった。

 現在の東京市場が頼りにするのは、米国の「9月利上げ実施観測」。ところが、それに黄色信号が灯っている。

 9月利上げ実施の確率は高い。私もこう予想していたものの、ここに来て先送りと見ざるを得ないような材料が相次いでいる。

 特に大きく見方を変えさせたのが、12日のブレイナードFRB理事の発言だった。彼女は早期利上げに対して、「緩和解除には慎重さ維持を」と反対。その理由として、「雇用は改善しているが、インフレ率は目標に達していない。海外の弱い需要が米国の見通しを圧迫している」と指摘し、経済が問題を抱えている国として日本と欧州をあげた。その上で、「FRBが利上げをしたら、ドルが強くなるリスクがある」とまで言ったのだ。

 われわれ日本の投資家は、ドルが強く、円が弱くなることを望んでいるのに対して、彼女は「ドルが高くなる」ことをリスクとして捉えたのだ。つまり、金利を引き上げてドルが上がるようなことになると困る、と。

●最悪期抜け出す東芝、世界シェア首位のステラケミなど…

 もちろん、彼女の主張だけでFRBの方針が決まるわけではない。とはいえ、「9月利上げ実施観測」はなお生きているものの、実現の確率が低下していることは認めざるを得ない状況だ。これではとても積極的に投資できない。こうなるのは自然だ。そのため、いまは慎重策をとるなら日米ともに金融政策決定会合(米国はFOMC)の終了を待つのが良策になる。

 ただ、投資作戦としては、金融政策決定会合の開催前に日経平均が大きく下げるようなことがあれば「絶好の買い場」になる。会合が終了すれば「気掛かり材料出尽くし」となり、多くの銘柄が反発する確率が高いからだ。

 特にそうなる期待値が高い銘柄としては、まずは東芝 <6502> になる。不正会計問題で経営危機に陥り、株式市場ではいまだに特設注意市場銘柄であるものの、収益は最悪期を乗り切りつつある。株価はどんどん上がるいうわけにいかないものの、今後は蘇生の確率が高いと見てよい。

 これから季節が秋から年末に向うことを考えると、六甲バター <2266> にも注目したい。製品のチーズの需要はボージョレ解禁からクリスマスへとこれから盛り上がり、六甲バターもその恩恵をフルに受けることになる。

 同じく年末需要が見込める銘柄に、スターゼン <8043> がある。この会社は食肉卸首位。円高も輸入牛肉の利益率向上でプラスする。

 円高が進んでも特殊分野において世界最強製品を持つ企業への投資は成功する確率が高い。その有力候補としてステラ ケミファ <4109> がある。電子部品用フッ素高純度薬品での世界シェア首位は高く評価できる。当然、株価も堅調高が見込める。

 新興市場にも目を向けておくと、アパート経営プラットフォーム「TATERU」の運営が好調なインベスターズクラウド <1435> [東証M]が魅力的だ。

2016年9月16日 記

株探ニュース

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