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【市況】日経平均は反落、日銀ETF思惑もメガバンクが上値の重しか/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は反落。39.73円安の16689.31円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えている。供給過剰懸念が高まった原油相場の下落、これを嫌気した米国市場の大幅な下げを受けて、売り優勢の展開となった。ただし、為替市場ではドル・円相場がやや円安に振れて推移していたほか、下値では日銀によるETF買入れに対する思惑から売り込みづらく、日経平均は寄付き直後につけた16612.35円を安値に、下げ幅を縮めている。

 日銀は20・21日に開く金融政策決定会合でまとめる異次元緩和の「総括的な検証」で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針と報じられるなか、メガバンクを中心に銀行株が軟調。一方で日銀は、国債の大量購入で期間25年を超す超長期国債の購入を抑えることを議論すると報じられており、超長期債の利回り上昇への思惑から保険株が上昇。

 東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは保険、不動産、その他製品、金属製品、機械がしっかり。半面、鉱業、銀行、石油石炭、海運、卸売、鉄鋼が冴えない。

 円相場が1ドル103円台と円安に振れて推移しているほか、日銀のETF買入れへの思惑から、日経平均、TOPIXは前引けにかけて下げ幅を縮めている。予想通りETF買入れが行われるようだと、プラス圏を回復してくることになりそうだ。ただし、メガバンクなどの戻りの鈍さや、指数インパクトの大きい値がさの戻りが限られるようだと、売り仕掛け的な商いも入りやすいため、指数と個別の動向を睨みながらの相場展開になりそうだ。

 一方で、米国市場ではNYダウ30種で唯一アップルが上昇していたが、この流れからアップル関連が堅調である。また、明日からのゲームショウ開幕を手掛かりに、VR/AR関連等を蒸し返してくる流れも注目される。日経平均はこう着レンジを突破することは厳しいだろうが、それ故に、中小型のテーマ株への循環物色は活発だろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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