【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):大東建、ファストリ、楽天
ファストリ <日足> 「株探」多機能チャートより
カネカ<4118>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は7日、目標株価を750円から810円に引き上げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。同証券は、17年3月通期の連結営業利益を350億円から390億円(会社予想は420億円)に上方修正した。円高が進行するなかで4~6月期の営業利益は88億円(前年同期比2%増)と堅調だった。ただ、為替の1ドル=100円水準が続けばマイナス要因となるとも指摘している。今後の注目点は、7月から稼働を開始した合成繊維カネカロンのマレーシア新工場の稼働率上昇の時期とみている。
■大東建託 <1878> 16,230円 +45 円 (+0.3%) 本日終値
大東建託<1878>が6日続伸。同社は7日、外国人の賃貸住宅需要の拡大を見込み、店頭やインターネットでの部屋探しにおいて、5カ国語に対応の体制を整え、全国の185店舗でサービスを開始したことを発表した。今回の対応言語は英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語で、店舗に日本語が話せない外国人が来店した場合や、電話での問い合わせがきた場合、スムーズに案内・対応ができるよう、3者間同時通話(同時通訳)による通訳体制を構築している。
■ファーストリテイリング <9983> 36,410円 +20 円 (+0.1%) 本日終値
JPモルガン証券が、7日付のリポートで小売セクターの投資評価を再検討し、「中立」に戻した。同証券では6月25日、英国のEU離脱などに伴う、グローバル投資環境の不透明感の強まり、急速な円高進行などを踏まえ、相対的な投資魅力と安心感が強まったと考え、小売セクターの投資評価を「強気」に引き上げたが、現時点では強気継続の理由は不足と考えたという。こうしたなかで注目銘柄としては業績、バリュエーション、カタリストを総合的に勘案し、ファーストリテイリング<9983>がコア保有銘柄になるとしている。また、より中長期的には、有力成長企業で、足もとのセクターローテーションや月次販売軟調などから株価が調整した銘柄の、選別的な押し目買いを推奨するとして、良品計画<7453>、有力ドラッグストアのツルハホールディングス<3391>、クスリのアオキ<3398>、さらに、ニトリホールディングス<9843>などが買いの候補となるとしている。
■楽天 <4755> 1,373.5円 -55.5 円 (-3.9%) 本日終値
SMBC日興証券が7日付で楽天 <4755> の投資判断を「1(強気)→2(中立)」に引き下げたことが売り材料視された。リポートでは、国内EC市場の回復には時間を要すると指摘。新ポイント販促である「SPU7」などの施策が流通総額の成長率に及ぼすプラス効果は、想定より遅く時間をかけて緩やかに表れる可能性があるとしている。
■電通 <4324> 5,540円 -200 円 (-3.5%) 本日終値
電通<4324>が続落。同社は7日の取引終了後、8月の月次売上高を発表、全社では前年同月比2.0%減の1189億9300万円となった。業務別では、インタラクティブメディアが同21.6%増、テレビが同2.5%増、新聞が同7.7%増と好調だったが、雑誌が同17.1%減、マーケティング/プロモーションが同7.0%減などと不振だった。
■富士ソフト <9749> 2,818円 -72 円 (-2.5%) 本日終値
富士ソフト<9749>が反落。7日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券が目標株価を2950円から3000円へ引き上げたがレーティングは「オーバーウエート」から「ニュートラル」へ引き下げた。自動車関連やFA関連の組み込みソフト開発を牽引役に業績は好調に推移、これにより、株価は堅調に推移し、上値余地が相対的に限定的となったとし、さらなる株価上昇には資本効率改善に向けた取り組みが重要とみており、今後の動向に注目としている。
■伊藤園 <2593> 3,245円 -75 円 (-2.3%) 本日終値
伊藤園<2593>は反落。同社は7日の取引終了後、8月度の月次売上高を発表、合計で前年同月比3.2%増となったが株価は反応薄。その内、ドリンク事業は同3.1%増。内訳ではミネラルウォーターが同39.6%増、日本茶・健康茶飲料が同3.7%増、中国茶飲料が同8.1%増、野菜飲料が同5.7%増、機能性飲料が同6.2%増と好調ながら、果実飲料が同18.3%減、紅茶飲料が同49.3%減、コーヒー飲料が同1.3%減と不振だった。
■イハラケミカル工業 <4989> 904円 -20 円 (-2.2%) 本日終値
イハラケミカル工業<4989>が反落。同社は7日の取引終了後、16年10月期第3四半期累計(15年11月~16年7月)の連結決算を発表。売上高は335億1900万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は30億4300万円(同24.5%減)、純利益は26億8000万円(同22.2%減)と減益となった。海外向け綿花用除草剤原体の減少や、海外向け水稲用除草剤の地域差による販売価格低下などによる利益低下に加え、為替変動や販管費増などが利益を圧迫している。通期業績は売上高440億円(前期比7.0%増)、営業利益29億円(同41.2%減)、純利益25億円(同40.4%減)と従来見通しを据え置いた。
■村田製作所 <6981> 13,220円 -165 円 (-1.2%) 本日終値
村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>、日東電工<6988>など米アップルの有力なサプライヤーである電子部品株に売りが目立つ。米アップルが現地時間7日に開催したイベントで「iPhone7」などを発表したが、防水機能がついたことやイヤホンジャックをなくしたなどの変化はあったが、目新しさに欠けたことで、新たに株価を刺激する格好とはならなかった。マーケットの視線は機能の付加価値化よりもコンテンツによる差別化に向かっており、電子部品株とは対照的に「スーパーマリオ」の新作配信を発表した任天堂とその関連銘柄に物色の矛先が向いている。
株探ニュース