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【経済】NYの視点:ECB銀行監督委員会はマイナス金利政策の問題点を指摘


リトアニアのベルスロ・ジニオス紙が報じたところによると、欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のダニエル・ヌイ委員長は同紙との会見で、「マイナス金利は欧州の銀行の収益を圧迫している」との見解を示した。マイナス金利は銀行の資金調達コストを押し下げ、顧客の信用状況改善にも寄与したが、一方で現在は銀行の利益率を低下させていると指摘した。

銀行監督委員会は「低金利環境が銀行の利益を圧迫している。状況を改善するにはユーロ圏の成長が拡大する必要がある」との見方を示したそうだ。ECBが9月に何らかの追加緩和措置を講じる可能性はあるが、現行の中銀預金金利は据え置きとなる可能性が高いとみられる。

9月20-21日開催の日本銀行金融政策決定会合では、追加緩和措置について議論される見込みであり、マイナス金利政策もその対象になると予想されている。国内金融機関の間でマイナス金利政策はおおむね不評だが、日銀は銀行や企業の資金調達コスト低下につながる利点があると主張している。

マイナス金利については複数の米地区連銀総裁なども否定的な見解を表明しており、有意義な政策ではないとの見方が広がっている。日銀が国債買い入れ増額の替わりにマイナス金利の深掘りを決めた場合、円安・株高の相場展開になるとは限らない。

《NO》

 提供:フィスコ

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