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【市況】【↑】日経平均 大引け| 大幅反発・一時400円高、円安で輸出株中心に買い戻し (8月29日)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

日経平均株価
始値  16631.06
高値  16764.64(13:15)
安値  16616.65(09:02)
大引け 16737.49(前日比 +376.78 、 +2.30% )

売買高  16億1667万株 (東証1部概算)
売買代金 1兆8027億円 (東証1部概算)

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■本日のポイント

 1.日経平均は3日ぶりに大幅反発
 2.米利上げ警戒で円安が進み買い先行
 3.輸出関連を中心に買い戻された
 4.メガバンクなど金融株も軒並み高
 5.売買代金は2兆円割れと商いは盛り上がらず

■東京市場概況

 前週末の米国市場では、NYダウは53ドル安と3日続落。FRBのイエレン議長やフィッシャー副議長の発言を受けて早期利上げに対する警戒感から売りが優勢となった。

 週明けの東京市場では、米利上げ警戒からドル円相場で急激に円安が進んだことで大きく買いが先行して始まり、その後も日経平均株価は高値圏で売り物を吸収し、一時400円強上昇する場面もあった。

 29日の東京市場は、リスク選好ムードのなか、主力株をはじめ幅広く買いが流入した。注目を集めたイエレンFRB議長のジャクソンホール経済シンポジウムでの発言は、具体的な時期にこそ言及しなかったものの9月利上げの可能性も否定できず、ドル買いの動きが強まった。1ドル=102円台前半まで円安が進み、東京市場では輸出株中心に追い風材料となった。また、日銀の黒田総裁がジャクソンホールの討論会でマイナス金利を深掘りする可能性を示唆する発言をみせたにもかかわらず、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが終始強い動きをみせたことも、投資家心理改善につながったようだ。もっとも東証1部全体の8割近い銘柄が上昇したとはいえ、売買代金は盛り上がらず、活況の目安とされる2兆円を下回った。

 個別では、円安を好感してトヨタ自動車<7203>が売買代金トップで大幅高となったほか、任天堂<7974>も買われた。村田製作所<6981>、TDK<6762>など電子部品株やワイエイシイ<6298>やローツェ<6323>など半導体装置の上げも目立つ。フィンテック事業参入を発表したインフォマート<2492>はストップ高。ヤマハ発動機<7272>、三菱ガス化学<4182>なども物色人気となった。
 半面、ファミリーマート<8028>が安く、明治ホールディングス<2269>も軟調。外資系証券の目標株価引き下げでアダストリア<2685>が大幅安、アコーディア・ゴルフ<2131>も大きく下落した。ピーシーデポコーポレーション<7618>も再び下値模索の展開に。タカラトミー<7867>、日本水産<1332>も安い。

 日経平均への寄与度上位5銘柄はファストリ <9983> 、ファナック <6954> 、ソフトバンク <9984> 、TDK <6762> 、ダイキン <6367> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約104円。
 一方、マイナス寄与の上位5銘柄はファミリーM <8028> 、セブン&アイ <3382> 、イオン <8267> 、明治HD <2269> 、日水 <1332> 。押し下げ効果は約19円。うち14円はファミリーM1銘柄によるもの。


 東証33業種のうち30業種が上昇し、下落は小売業、水産・農林業、食料品の3業種のみ。上昇率の大きかった上位5業種は(1)海運業、(2)保険業、(3)輸送用機器、(4)ガラス土石製品、(5)証券商品先物。一方、上昇率の小さかった5業種は(1)空運業、(2)陸運業、(3)医薬品、(4)建設業、(5)石油石炭製品。

■個別材料株

△高橋ウォール <1994> [JQ]
 2.25%を上限に自社株買い。
△安川情報 <2354> [東証2]
 「MMCloud」がNTTコムのIoTサービスに採用。
△メディアドゥ <3678> [東証M]
 子どもSNSのクリエイタブルズと資本業務提携。
△AWSHD <3937> [東証M]
 ZMP主催のフォーラムで同社社長らが講演。
△三菱ケミHD <4188>
 SMBC日興が投資判断を「2→1」に格上げ。
△カルナバイオ <4572> [JQG]
 大腸がん幹細胞を抑制する新規化合物を創出。
△アドアーズ <4712> [JQ]
 グリーとのVRに関する事業業務提携。
△ガーラ <4777> [JQ]
 「アーケイン」日本語版が国内無料アプリ部門で1位。
△三浦印 <7920> [東証2]
 今期経常を15%上方修正、配当も0.5円増額。
△東京建物 <8804>
 「低価格ビジネスホテルを展開」と報道。


▲クスリアオキ <3398>
 8月の既存店売上高は1.3%増と伸び鈍化。
▲日本ライフL <7575>
 123万株の株式売り出しを実施。

 東証1部の値上がり率上位10傑は(1)キムラタン <8107> 、(2)インフォMT <2492> 、(3)ワイエイシイ <6298> 、(4)ローツェ <6323> 、(5)日本CMK <6958> 、(6)サニックス <4651> 、(7)日ケミコン <6997> 、(8)洋ゴム <5105> 、(9)竹内製作所 <6432> 、(10)太陽誘電 <6976> 。

 値下がり率上位10傑は(1)アコーディア <2131> 、(2)アダストリア <2685> 、(3)オハラ <5218> 、(4)PCデポ <7618> 、(5)クスリアオキ <3398> 、(6)ラクーン <3031> 、(7)日本ライフL <7575> 、(8)関西スーパ <9919> 、(9)クラウディア <3607> 、(10)ヒマラヤ <7514> 。


【大引け】

 日経平均は前日比376.78円(2.30%)高の1万6737.49円。TOPIXは前日比25.34(1.97%)高の1313.24。出来高は概算で16億1667万株。値上がり銘柄数は1540、値下がり銘柄数は363となった。日経ジャスダック平均は2461.42円(5.57円高)。

[2016年8月29日]

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