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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「9月、放れに従う秋相場」

株式評論家 富田隆弥

◆お盆が終わっても、株式市場は夏休みが続いている。25日の日経平均株価は1万6555円引けで、18日から1万6500円近辺で膠着が続く。NYダウ平均が1万8500ドル台でもみ合い、外国人のバカンスが続いていては、主体性のない日本株が膠着するのも仕方ない。政府・日銀が100円ラインを強く意識する為替(ドル円)も100円台で膠着、そして日銀の強力なETF買いも下支え要因になっている。だが、日経平均やTOPIXのチャートはもみ合いを煮詰めており、ここから見せる「放れ足」がポイントになることは承知しておきたい。

◆NYダウ小動きの背景には、26日にジャクソンホールでのイエレン議長講演が控えていることもある。その講演内容が注目されることは言うまでもないが、NYダウはチャートも注視しておく必要がある。15日1万8668ドル高値のあと25日安値1万8431ドルまで調整し、日足は25日線を割り込み「ダブルトップ懸念」がジワリと漂う。8月2日安値1万8247ドルを下回ると「ダブルトップ」確定となるが、そうなるとヘッジファンドの決算を控える秋は調整本格化の可能性が否めなくなる。逆に高値1万8668ドルを抜くなら、イエレン・マジック延長として同時株高を演出するだろう。

◆9月、秋相場が始まる。裁定買い残は5345億円とカラカラの一方、ヘッジファンドの決算対策売りが懸念される。為替や債券、原油など他市場の動きもマチマチで、チャートやテクニカル面でも好悪が入り交じり、上下どちらに行っても材料には不足なく、動き出す方向により材料も付いてくる。そうした状況で、もし下放れると、米国を中心としたマネーゲーム相場に亀裂を入れることになる。日本株はNY次第、外国人次第であるから、強気に傾けるのは上放れを確認してからでも遅くないのではないか。

(8月25日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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