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【経済】三井智映子と始める資産運用入門9:株式投資をする意味とふたつの取引手法


こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子です。
今回は前回に続いて株式投資にスポットを当て、その基本的なところをお話ししていきたいと思います。今回のテーマは、すでに投資をされている方でも実はきちんと理解していない方も多い、株式を保有する意味とメリット、信用取引とは何か、のふたつです。

■そもそも株式を保有するのはどういうことなのか
株式とは企業(株式会社)の資本の構成単位で、企業が直接市場から資金を調達するために発行した有価証券です。一般に株式を持つということは、その企業にお金を出して間接的に経営に参加することを意味します。つまり会社に投資をしている訳ですね。投資している会社が成長をすれば株式をほしい人も増えて、株価も上昇します。

■株主になるメリットは?
株主になるメリットは大きく分けるとこの3つです。
1.売買益(キャピタルゲイン)を得られること
2.株主配当が受けられること
3.株主優待が受けられること

1のキャピタルゲインは、例えば1万円で買った株の株価が3万円に上昇すれば2万円が利益、というようなことです。株価が上がれば売って差額を利益とすることも可能なわけです。売買のタイミングによっては高い利益を期待できます。
2と3はインカムゲインといいます。
2の株主配当とは、投資をしている企業の利益の分配金のこと。企業が生じた利益に応じて、投資してくれている株主に、1株当たり○円、という形で配ってくれます。投資先の企業に十分な利益が出ていないと、これを得ることはできません。
3の株主優待は、企業が株主に対する還元の一環として、保有株式に応じて物品などを配るもので、その企業が取り扱っている商品や割引券、優待券、商品券、食料品などがもらえます。最近は株主優待を実施する企業も増え、種類も豊富で優待利回りが高い企業も多いので人気を集めています。業績が下がったり不祥事があったりしても、株主優待があることで株主が保有株を手放さなかったために株価暴落を免れた企業もあります。
ほかにも株式市場は世界の情勢や政治等、あらゆるものに影響を受けるため、株式運用を始めると色々なニュースが気になって調べる意欲がわいたり、知識が増えたりするというメリットもあります。

■現物取引とは?
株式を売買する際は証券会社を通じて行ないますが、取引をする方法には大きく分けてふたつのやり方があります。
通常、取引所に上場している企業の株式を、市場の時価で計算した売買代金で売買する取引を、現物株式取引といいます。時価1000円、1単元100株のA社の株式を100株、10万円で買う、という取引が現物取引です。例えばこの株が30%上がった場合、税金は別として、そのまま3万円が利益となります。単純明快な取引ですね。

■信用取引とは?
もうひとつは信用取引と呼ばれる取引です。これは、自分の手持ち資金ではなく、自分の資金や株式などを担保にして、証券会社からお金を借りて自己資金以上に投資できる取引のことです。
例えば先ほどの10万円のA社株を、信用取引で3倍のレバレッジをかけて購入すると、30万円分、3単元買えるので、先ほどの3倍の9万円の利益を得ることができるんです。
しかし利益も3倍ですが、もし損益が出てしまうとそれも3倍になる……、つまりレバレッジをかけた分ハイリスクハイリターンになるわけです。レバレッジをかけるというのは少ない取引額で効率的に利益が出せるメリットがある方法なので、適切な範囲でのレバレッジをかけることが大切です。

■下落時でも利益がとれる
もう1つ信用取引の大きなメリットといえば「空売り」です。現物取引では、まずは株式を買うことがスタートになって、それをタイミングに応じて売ることで利益を得るわけですが、信用取引では、お金ではなく株を借りて自分では持っていない株を「売り」から取引することができます。株価が下落する局面では、借りた株をまず売って、安値になったところで買って返せばキャピタルゲインを得ることができるわけです。「買い」からしか取引できないのと比べるとチャンスが倍になります。

■信用取引をはじめるなら?
ただ、信用取引は証券会社によって手数料や空売りをできる売建銘柄数が異なる点に注意が必要です。
手数料では、信用取引は無料のSMBC日興証券や、デイトレードなら手数料無料の松井証券に優位性があります。また約定代金が300万円を超えると手数料無料のライブスター証券、20万円までなら154円のSBI証券などもお手頃な証券会社だといえるでしょう。
また「空売り」に関しては、取り扱い銘柄数が一番多いのはカブドットコム証券、次いでSBI証券です。SBI証券では、信用銘柄や新興市場銘柄など、一般的には空売りができないような銘柄を選定して、空売りを可能とした独自のサービスも展開しています。


三井智映子と始める「資産運用入門」は資産運用の基礎を三井智映子の見解でコメントしています。

フィスコリサーチレポーター 三井智映子

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 提供:フィスコ

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