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2016年08月08日07時58分

【経済】新日銀砲の衝撃

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 日銀は先日の金融政策決定会合において、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年間約3兆円から約6兆円にほぼ倍増させた。
 この後、日銀が実際にどのようなオペレーションをするか注目されていたが、政策決定会合後買い入れがあった2日間は従前とほぼ変わらない金額で1日あたり約340億円だった。特にETFの買い入れ増額に関して、財務相と金融庁長官から認可を取得したと発表した(8月2日、引け後)翌日(3日)の買い入れ金額が注目されたが、従前と変わらず市場には肩すかしとなった。これにより、実際に1日あたりの買い入れ額が実際に増額されるのか、増額されるとしていつ開始されるのか市場では様々な憶測が飛び交っていた。システムの変更によりかなり時間がかかるという見方もあった。
 しかし、8月4日に日銀は突如約700億円ものETF買いに入った。やはり、買い入れ金額が倍増されたことにより、1日あたりの買い入れ額も単純に倍増するという方針のようだ。
 金額倍増の効果は劇的なものとなった。前場の軟調推移から、買い入れに入ったとみられる後場に相場の様相は急変、日経平均・TOPIX(東証株価指数)は大幅高となり、大型銘柄にもかかわらず前日比+5%や+7%が続出する展開となった。前日も約340億円の買い入れが入っていたが、前日は終始軟調に推移し前日比マイナスで終える結果となっており、その差は歴然だった。
 この「新日銀砲」は今後強力な相場の下支え役になるのは間違いない。特に買い入れのルールがこれまでのルールとみられる、「前場でTOPIXがマイナス」というルールと同様なら、同条件の日には後場に必ずプラスに転換し、結果として日経平均やTOPIXが前日比マイナスとなる日が著しく減少するだろう。
 ただ、これほどまでのインパクトの買い入れが硬直的なルールで運用されると、当然ながらそれを利用して儲けようとする短期の投資家等が世界中から集まって来る可能性があり、市場が大きく歪むおそれがある
 買い入れの日をランダムにするとか、1日あたりの金額も常に一定額ではなく可変にするなど柔軟な運用が必要ではなかろうか。
《YU》

 提供:フィスコ

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