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【経済】中国:不動産デベロッパーの資金調達に警戒感、資金繰り悪化に懸念


不動産価格の急速な上昇を受け、中国政府が資産バブルへの警戒感を強めている。政府による監督強化を受け、不動産デベロッパーの資金調達ルートは今後大幅に狭まり、流動性のひっ迫に直面する可能性がある。また、資金調達コストも増加していく見込みだ。本土メディアが3日、業界関係者の見解として報じた。
緩和的な金融政策と国内株式市場の低調を背景に、中国の不動産市場では昨年以降、資金の流入が加速している。住宅価格が大きく上昇する中、デベロッパーの多くが積極的に資金を調達。土地の取得や物件の開発を急いだ。統計によると、不動産業界の起債件数は年初から今月1日までに816件を数え、資金調達額は前年同期比292%増の7588億1200万人民元(約11兆5400億円)に膨らんだ。金融業を除いて、最も起債規模の大きい業界となっている。
銀行からの借り入れも増大。不動産デベロッパーによる借り入れの規模は、今年1~6月に前値同期比で158%増加したという。
これと同時に、デベロッパーが抱える負債の規模も大きく拡大。2015年末の時点で、デベロッパーの有利子負債は3兆2300億8500万人民元(約49兆1300億円)に膨らんだ。1社当たり平均で496億9400万人民元にも上る。
こうした状況に対し、中国政府は資産バブルの抑制に向け、不動産業界に対する管理を強化しはじめた。その一環として、中国証券監督管理委員会が上場デベロッパーに対し、増資による調達資金の使途を制限する方針を示した??と報じられている。資金調達ルートが狭まり、調達コストの上昇も懸念されるなか、一部のデベロッパーは今後、資金繰りの悪化に直面する可能性が指摘されている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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