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【経済】中国:過剰な地下水利用で弊害、河北省滄州は最大年5センチ超沈下


地下水の過剰くみ上げが続くなか、北方エリアを中心に中国の都市群は地盤沈下に悩まされている。北京から約220キロ南方の河北省滄州市では、市の人民医院が沈降。3階建て病院棟の1階部分が水没し、他所への移転を余儀なくされた。滄州の大部分では、毎年1~3センチずつ沈降。深刻な地域では、5センチ以上のペースで沈みつつあるという。参考消息網などが3日、外電情報として伝えた。
中国では1920年代から、上海市や天津市などの大型港湾都市で地盤沈下が問題視されるようになった。過去10年間だけでも、50カ所あまりの都市が2メートル以上、沈んだとされる。首都の北京市は、10年間で80センチ沈下した。
深刻な事態に直面した滄州市でも、2008年になって、地下水過剰くみ上げの規制にようやく乗り出したばかり。問題が解決するには、相当の期間を要するとみられる。河北省の1人当たり水資源量は、全国平均の7分の1に過ぎない年間307立方米に過ぎない。
一方、「南水北調」プロジェクトの進行は、数少ない朗報。水資源の乏しい中国北方エリアにも、2014年12月以降、南部エリアの河川水が導かれるようになった。地下水の取水規制策が奏功し、江蘇省や浙江省の一部では、すでに地盤の沈降が停止。地下水の水位も上昇に転じたという。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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