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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~為替は安心感も価格帯別出来高の膨れている水準

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・為替は安心感も価格帯別出来高の膨れている水準
・ドル・円は106円43銭付近、政府の大型経済対策や日銀追加緩和への期待広がる
・信越化学、ソフトバンクなど5社の目標株価変更



■為替は安心感も価格帯別出来高の膨れている水準

日経平均は反発。227.15円高の16610.19円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えた。26日の米国市場は日米金融イベントを控えてまちまちの展開だったが、米アップルの決算を受けた時間外の上昇のほか、信越化<4063>などの予想を上回る決算が好材料視された。

信越化は15%を超える上昇で年初来高値を更新し、日経平均をけん引しているほか、ファーストリテ<9983>が堅調。また、米アップルの時間外の上昇を背景に、日東電<6988>、TDK<6762>などハイテク株も強い値動きとなり、日経平均をけん引している。一方で、KDDI<9433>が冴えないほか、上場企業の会計不正を調査して、空売りを行う米国のグラウカスが売り対象とした伊藤忠<8001>が急落している。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を超えている。セクターでは化学、輸送用機器、ガラス土石、ゴム製品、非鉄金属、金属製品、繊維、電気機器、その他金融が堅調。半面、任天堂<7974>が弱い値動きをみせており、その他製品が下落率トップ。卸売、保険、電力ガス、銀行、情報通信、水産農林、陸運などが小安い。

円相場が1ドル105円25銭辺りと、朝方から円安に振れており、安心感につながりやすい。また、信越化など決算を評価した物色も活発であり、個別対応ながらも物色意欲の強さが窺える。日経平均は価格帯別出来高の膨れている16600-16800円の水準であり、ここからの一段高は期待しづらいところであろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を見極めたいとの思惑から上値追いは慎重になりやすいとみられる。

とはいえ、決算評価の動きがみられており、個別物色の流れが意識される。先回り的な動きは禁物であろうが、ファナック<6954>、LINE<3938>などには、アク抜けを期待した先回り的な動きが出てくる可能性もありそうだ。また、任天堂についても、来週には「ポケモンGOプラス」の発売が見込まれていることもあり、関連銘柄も含めた押し目拾いの動きは意識しておきたいところである。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は106円43銭付近、政府の大型経済対策や日銀追加緩和への期待広がる

27日午前の東京外為市場では、ドル・円は一段高となった。堅調な日経平均株価を受けリスク選好的な動きが広がっている。ドル・円は104円後半で寄り付いた後、日経平均株価が前日比200円超上昇したことで105円台を回復。その後も株高の持続や政府の大型経済対策、日銀追加緩和への期待でリスク選好的な買いが続き、ドルは106円38銭まで値を上げた。

また、10時半に発表されたオーストラリアの4-6月期消費者物価指数(CPI)は、市場の予想通り前期比+0.4となり、1-3月期の-0.2%を上回った。豪早期利下げ観測は弱まり、市場に安心感が広がったこともドルの底堅い値動きにつながった。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いで推移している。日本時間28日3時の米連邦準備制度理事会(FRB)による政策発表を前に様子見ムードは広がりやすいが、ドル買いは午後も続く可能性があろう。

ここまで、ドル・円は104円63銭から106円38銭、ユーロ・ドルは1.0982ドルから1.0994ドル、ユーロ・円は114円93銭から116円95銭で推移した

12時27分時点のドル・円は106円43銭、ユーロ・円は117円01銭、ポンド・円は139円76銭、豪ドル・円は79円49銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・信越化学<4063>、ソフトバンク<9984>など5社の目標株価変更
・値上がり寄与トップは信越化<4063>、1銘柄で日経平均を約37円押し上げ

インベスターC<1435>、アスコット<3264>、トレンダーズ<6069>などがストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・米民主党
「クリントン元国務長官を党の大統領候補に正式指名」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・15:00 独・8月GFK消費者信頼感指数(予想:9.9、7月:10.1)

《WA》

 提供:フィスコ

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