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【特集】秋野充成氏【どこまで続く? 灼熱のサマーラリー】(2) <相場観特集>

秋野充成氏(いちよしアセットマネジメント 執行役員)

 東京株式市場は3連休明けの19日も強調展開を継続、前週の地合いを引き継ぎ日経平均株価は6日続伸で1万6700円台を回復してきた。英国のEU離脱決定でリスクオフの流れが強く意識された7月第1週(4~8日)から一転、参院選での与党大勝を受け相場の流れは大きく“強気”に傾いたようにもみえる。果たして今の戻り相場は本物か。市場第一線で活躍する証券関係者に今後の相場見通しと注目ポイントについて聞いた。

●「日銀会合まで上昇も、その後は調整に」

秋野充成氏(いちよしアセットマネジメント 執行役員)

 東京株式市場は、今後、今月下旬までは上昇するものの、その後は再度、下落しそうだ。

 日経平均は28~29日の日銀金融政策決定会合までは高く推移するとみている。1万7000円前後までの上昇が見込めると思う。

 ただ、同会合は市場関係者にとっては、失望する結果となる可能性がある。「ヘリコプターマネー」的なものは出てこないだろう。追加緩和は実施されるとしても、ETF(株式投信)の買い入れ増額や国債買い入れ枠を増額し年80兆円の増加を同90兆円に増やす程度にとどまるだろう。経済対策も、国債の大幅な増発を伴う大規模な水準までには至らない、とみている。

 日銀会合の結果が市場の期待に達しないことから、8~9月にかけては日経平均は1万5500~1万6500円前後のレンジ相場に戻るだろう。為替も円高水準に振れそうだ。4-6月期の決算も円高と景況感の悪化で、あまり良くない内容となりそうだ。11月の米大統領選までは、こんな状況が続くとみている。

 こうしたなか、今月下旬の日銀決定会合までは、これまでパフォーマンスの悪かったパナソニック <6752> などの電機株や三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> など銀行株の銘柄が買われそうだ。ただ、同会合後は中小型の新興株に再度、物色の矛先が向かうとみている。

(聞き手・岡里 英幸)


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