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【経済】NYの視点:BOEは8月に利下げか、ポンド買い介入の可能性は否定


英国中央銀行のカーニー総裁は演説で、英中銀がおそらく夏に金融緩和が必要になる可能性を示唆した。現段階で、国民投票が経済に与える影響は明確ではなく「経済の見通しは悪化した」との見解で、英中銀の見通しの中央値も「成長失速」だとした。カーニー総裁は国民投票前まで、「英国中銀の次の行動は利上げだ」と繰り返してきただけに、「BREXITの決定は主要な体制変更につながる」と表明。

9月に新首相が選ばれ、新政権が2016年の10?12月期にリスボン条約50条を発動、EUに正式な離脱申請をすることで初めておおよそ2年とされる交渉が始まる。カーニー総裁は、少なくとも今後3年間にわたり不透明感がくすぶり活動を損ねることになると悲観的な見通しを示した。さらに、英国経済から他の経済に悪影響が波及するリスクも警告。BREXITによる金融状況のひっ迫リスクが見られていることも指摘し、9月末まで毎週流動性供給オペを実施することを明らかにした。

カーニーは7月、8月の会合を「夏」とひとくくりにしている。7月、または、8月の会合で、英国中銀が利下げ、あるいは量的緩和(QE)を拡大するとの観測が強まった。8月に見通しが出そろうことから市場では8月の利下げが濃厚と見られている。英金利先物市場での8月の利下げ確率はカーニー英中央銀行総裁の演説前の59%近辺から73.7%へ上昇。7月の利下げ確率は43%前後から61.8%へ上昇した。

また、ポンドを買い支える介入の可能性に関する質問に、カーニー総裁は、「ポンドの下落は、BREXITを受けた投資家の見通しの変化を反映しており、新たな水準を探している」とし、流動性などにも問題が見られず介入の必要性はないとの姿勢を示した。国民投票で欧州連合(EU)離脱勝利という予想外の結果を受けてポンド売りが加速し、ポンドは対ドルで過去最大の下落を記録。1985年8月以降31年ぶりの安値を更新した。

《NO》

 提供:フィスコ

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