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【特集】下げ過ぎ日本株、英EU離脱と“無縁”の「特選リバウンド候補」 <株探トップ特集>

時価総額200兆円消失は行き過ぎ――市場関係者は冷静、ツレ安銘柄には見直しも

―金融経済の波乱は最小限、ツレ安内需株に狙い―

 前週末に東京株式市場を襲った衝撃は、ネガティブサプライズとしてはリーマン・ショック級だったといってもよい。世界が固唾を飲んで見守った英国EU離脱を巡る国民投票は、大方の予想を覆し離脱派が勝利、これをリアルタイムで目の当たりにした東京市場は、日経平均株価が1286円安と2000年のITバブル崩壊時以来の記録的下げ幅で、1年8カ月ぶりの安値圏に沈んだ。

 しかし、売り方の歓喜のどよめきが大きければ、それだけ反動高のエネルギーの蓄えにつながっていくのが相場の常である。国内の市場関係者は意外なほどに冷静だ。「世界の中央銀行が挙(こぞ)って資金供給に動き、金融経済の波乱は最小限に緩和される。実体経済への影響もブレグジット(英国のEU離脱)が具体的にまとまるまでには最低でも2年以上の歳月がかかる話で、手順を踏んでの慎重な対応が見込まれる。本来、前週末たった1日間で世界の200兆円の時価総額が消失するような話ではない」(準大手証券ストラテジスト)とし、早晩狼狽売りの反動局面が訪れることを示唆している。

 そうしたなか週明け27日の東京市場では日経平均が350円強の上昇をみせ、まだ自律反発の領域ではあるものの、反騰相場の第一歩を踏み出した。

●反騰の初動、25日線カイ離で要注目の内需株

 英国のEU離脱が日本経済に及ぼす影響はけっして小さくはないが、東証1部の時価総額を一瞬にして8%も吹き飛ばすようなインパクトがあるかといえば疑問だ。パニックは政策を生む。世界が足並みを揃え流動性確保に動きだし、EU離脱のドミノ化を防ぐ対策にも既に布石を打ち始めている。きょうは政府・日銀当局が緊急会合を開き、流動性供給に伴い市場の安定を図る構えを早々にアピールしていることも反騰の足場となり得る。

 とすれば、ここは売られ過ぎた銘柄のリバウンドを狙う好機といえる。ただし、「自動車セクターなど為替と連動して収益シナリオが大きく振れる業種は現時点では避けるのが無難」(前出の準大手証券ストラテジスト)という見方が支配的。週明け27日の日経平均は350円高強の切り返しをみせたとはいえ、自動車や機械など輸出比率の高いセクターはむしろ値下がり銘柄が目立った。目先的に物色対象として有力視されるのは、英国のEU離脱で直接的な収益ダメージを受けることがない内需株で、全体に大きくツレ安した銘柄群だ。全体のリスクオフの突風に巻かれ、下値模索を余儀なくされた銘柄は早晩見直し買いの対象に浮上してくる公算が大きい。

 別表は時価総額1000億円以上の銘柄の中から、25日移動平均線との下方カイ離の大きい内需株でリバウンド期待の高い銘柄を20銘柄リストアップしたもの。英国のEU離脱ショックを逆手にとった仕込み好機の反騰予備軍としてマークしておきたい。

◆25日移動平均線との下方カイ離が大きい内需反騰妙味株◆

                25日移
銘柄(コード)     株価  動平均 注目度
日本水産 <1332>      539   605   A
コムシスHD <1721>   1607  1743   B
長谷工 <1808>       988  1132   B
ネクスト <2120>      893  1032   A
クックパッド <2193>   1198  1384   B
ディップ <2379>     2536  2794   A
ユーグレナ <2931>    1375  1562   B
東急不HD <3289>     615   687   B
コロプラ <3668>     1937  2197   A
GMOPG <3769>    5620  6249   A
協和キリン <4151>    1694  1905   C
日油 <4403>        810   895   C
小野薬 <4528>      4235  4667   A
ペプチドリーム <4587>  5670  6403   A
CTC <4739>      2157  2333   C
タカラバイオ <4974>   1261  1395   A
かんぽ生命 <7181>    2037  2288   C
三菱鉛筆 <7976>     4605  5337   C
セブン銀行 <8410>     314   368   B
アイフル <8515>      288   334   B

単位:円(株価は27日終値)
※注目度は日々の値動きや売買高などから弊社独自判断A~Cの順に高い


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