【市況】明日の株式相場見通し=円高進行警戒し下値模索、企業業績の下方修正を懸念
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
円相場が1ドル=103円台半ばと、2014年8月以来約1年10カ月ぶりの円高・ドル安水準となってきた。輸出関連の主力企業の多くは、17年3月期の想定為替レートを1ドル=110円としており、現状の円相場が持続すると、今期の業績予想が大きく下方修正されかねない状態となってきた。
中堅証券の投資情報部からは「市場関係者の多くが、日米の金融政策決定イベントについて“現状維持”と予想し、実際にその通りになったにもかかわらず、外国為替市場で想定以上の円高・ドル安が進行し、それを嫌気して日経平均株価が急落したことでサプライズが増幅したようだ。来週23日に英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が控えているのを念頭に、投機筋が“円買い・日本株売り”のプログラム売買を仕掛けたのではないか」との見方も出ている。
16日の東京株式市場は、徐々に下落幅を広げる推移で前場を終了。後場に入ると一気に下げが加速し、一時前日比500円超の下げを見せる場面もあった、日経平均株価終値は、前日比485円44銭安の1万5434円14銭と急反落し、2月12日以来約4カ月ぶりの安値水準となった。
日程面では、豆腐、厚揚げ、油揚げなどの製造、販売を手掛けるやまみ<2820>が東証ジャスダック市場に新規上場する。このほかに、6月の月例経済報告、5月の日本製半導体製造装置のBBレシオに注目。海外では、EU財務相理事会、米5月の住宅着工件数が焦点となる。(冨田康夫)
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)