【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友鉱、富士通ゼ、出光興産、国際石開帝石
住友鉱 <日足> 「株探」多機能チャートより
住友金属鉱山<5713>が反発。足もとで原油価格が反発基調を強めるなか、ニッケルなど非鉄の一角にも上昇機運が出ている。また、米早期利上げ観測が後退しドルが下落する一方、ドルとの逆相関関係が強い金価格が強含んでいる。同社は代表的な産金株の1社であることも見直し要因となっている様子だ。
■富士通ゼネラル <6755> 2,104円 +74 円 (+3.7%) 本日終値
富士通ゼネラル<6755>が大幅反発し年初来高値を更新。きょうは大和証券がポジティブなリポートをリリースしたことが確認されており、買い手掛かり材料視されているようだ。同証券予想の営業利益は17年3月期が前期比13%減の240億円(従来210億円)、18年3月期が同10%増の265億円(同230億円)へ上方修正。17年3月期は消防無線デジタル化移行に伴う特需消失で営業減益予想であるものの、会社計画の220億円を上回ると予想。主力の空調機事業は前期に続き、今後も最高益更新が続くと予想している。レーティングは「2」(アウトパフォーム)を継続。バリュエーション上昇の可能性があると考え、目標株価は2000円から2600円へ引き上げている。
■出光興産 <5019> 2,443円 +79 円 (+3.3%) 本日終値
SMBC日興証券が8日付で出光興産 <5019> の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を2600円→2900円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、足元の石油製品マージンは原油価格の回復などから改善傾向にあると指摘。また、韓国LGディスプレイの有機ELテレビ販売台数の急増で、有機EL材料事業も拡大すると予想している。同証券では、17年3月期の連結営業利益を1114億円→1133億円(会社計画は1130億円)、18年3月期を1334億円→1398億円にそれぞれ引き上げた。
■国際石油開発帝石 <1605> 910.5円 +23 円 (+2.6%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>が高いほか、JXホールディングス<5020>、昭和シェル石油<5002>も上値指向となるなど原油価格上昇で収益メリットが生じる銘柄に買いが集まった。足もとの原油市況は、在庫減少による需給改善期待から上昇歩調を強め、前日のWTI原油価格は終値ベースで1バレル=51ドル台まで買われ約11カ月ぶりの水準まで回復している。米国株市場ではエネルギー関連株が牽引してNYダウが1万8000ドル台乗せを果たしており、東京市場でもこれを引き継ぐ格好となった。
■サカタインクス <4633> 1,391円 +23 円 (+1.7%) 本日終値
サカタインクス<4633>が全体下げ相場に逆行して3日続伸。食品包装用インキが会社側の想定を上回って好調に推移しており、16年1~3月期の営業利益は25億5400万円と前年同期を約3割上回る水準。「新興国では経済成長に合わせて食品の個別包装向けニーズが高まる傾向にあり、同社の業績に追い風となっている」(市場関係者)という。時価はPER12倍弱と株価指標面からも割安感がある。
■ダイキン工業 <6367> 9,023円 +34 円 (+0.4%) 本日終値
ダイキン工業<6367>が小幅ながら3日続伸。ドイツ証券がリポートをリリース。同社は堅調な業績成長を続けており、17年3月期も為替の逆風に打ち勝ち、利益成長を続けると見ているほか、新戦略経営計画Fusion20では積極的な売上目標と堅実な利益目標を掲げていると見ており、成長軌道が続くと想定。中長期を見据えて同社は従来の空調の枠組みを超えた努力をしていることが研究テーマから分かり、時代背景を鑑みれば必要な戦略と評価。同証券では堅調な利益成長を見込むも、バリュエーションを鑑みてレーティングは「ホールド」を継続。目標株価は8300円から9000円へ引き上げている。
■日本精工 <6471> 876円 -40 円 (-4.4%) 本日終値 東証1部 下落率10位
日本精工<6471>やオークマ<6103>、ミネベア<6479>など機械株が安い。足もとで為替の円高が進んでいることに加え、この日内閣府が発表した4月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶電力を除く民需」(季節調整値)は前月比11.0%減と市場予想(3.0%減)を下回ったことが嫌気された。設備投資需要の先行きに不透明感が強まったことが機械株の売り要因となっている。
■クミアイ化学工業 <4996> 764円 -20 円 (-2.6%) 本日終値
クミアイ化学工業<4996>が4日続落。大和証券はリポートで、会社側が16年10月期上期の営業利益予想を34億円(従来40億円)へ下方修正したことについて、円高と国内農薬販売の低迷が主因で、同証券の従来予想を下回りネガティブな印象と指摘している。同証券の16年10月通期の営業利益予想を33億円(従来45億円、会社計画は32億円)、17年10月期は40億円(同49億円)へ下方修正。目標株価は1500円から900円へ引き下げているものの、期待の畑作用除草剤「アクシーブ」の販売は順調であり、来期以降の販売見通しに大きな変化はないとの見方で、投資判断は「1」(買い)を継続している。
■新東工業 <6339> 833円 -21 円 (-2.5%) 本日終値
新東工業<6339>が反落。東海東京調査センターでは、自動車・部品メーカーの国内設備投資は17年3月期も堅調に推移すると指摘。同社としては、受注引き合いは増えているものの小口案件が多く、受注見通しが難しくなっている模様としながらも、足もとで受注動向が落ち込む兆候は出ていないため、会社計画には上振れ期待があると解説。「会社計画はやや慎重な見通し」との見解を示している。
■三菱重工業 <7011> 426.5円 -8.1 円 (-1.9%) 本日終値
三菱重工業<7011>が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、MRJ、客船など懸念材料は解消に向かっていると指摘。米原子力発電所関連の訴訟問題が当面の最大の懸念材料としながらも、極度に多額の賠償金となる可能性は低いと考え、石炭火力プラントの量産効果などから17年3月期営業利益は2ケタ増益を予想。レーティング「オーバーウエート」を継続、目標株価は760円から600円に引き下げている。
株探ニュース