市場ニュース

戻る
 

【特集】今年は最大10連休、GW前「旅行関連株」総ざらい <株探トップ特集>

今年のゴールデンウイークは最大で10連休になる

―6年半ぶり燃油サーチャージ0円など追い風―

 いよいよ4月末からゴールデンウイーク(GW)がスタートする。休暇をうまく利用すれば最大で10連休となるサラリーマンも多いことから、旅行や行楽に関連する企業が改めて注目されることになりそうだ。

●国内・海外ともに堅調で前年上回る見込み

 旅行や行楽に関しては、この数年、日本を訪れるいわゆるインバウンド需要が話題の中心となっていたが、今年のGWは日本人による国内旅行や国内から海外へ向かう旅行需要も活発化しそうだ。最大で10連休となる日並びの良さに加えて、原油価格の下落で、4月以降、一部航空会社を除き燃油サーチャージが6年半ぶりに0円になった。さらに、為替も昨年末の1ドル=120円台から足もと107~108円まで円高になっており、海外旅行に行きやすい環境になっていることが追い風となる。

 このような状況下、4月5日にJTBがGW(4月25日~5月5日)の旅行動向を発表している。節約傾向はあるものの旅行意欲は堅調で、総旅行人数は、昨年より0.3%増の2395.6万人と増加するとし、日並びもよいことから、国内旅行、海外旅行ともに昨年より増加する見込みと予測している。

 また、エイチ・アイ・エス <9603> も3月29日に4月28日~5月6日の予約状況から、GWの旅行動向についてまとめている。これによると米国やオセアニア、ビーチ方面がランキングを上げ好調に推移し、60周年イベントや新しいアトラクションのオープンなどで注目されているカリフォルニア ディズニーランド(米国アナハイム)が大きな伸びをみせているという。また、今年のGWは2度の3連休(4月29日~5月1日、5月3日~5日)があることから、台北・ソウルなど近場のアジアの人気も上昇しており、2カ月をきった間際の予約も増加している。「昨年はIS(イスラム国)によるテロへの不安があったが、今年はこれが薄らいでいることが海外旅行には心理的なプラスに働いている。4月の予約状況は総じて好調」(営業戦略室 広報担当)としている。

●国内は2大テーマパークの15周年イベントなどが人気

 また、日本旅行業協会が3月29日に発表したGWの旅行傾向でも米国やカナダ、オセアニアなどが人気となっている。一方、国内では北海道新幹線開業効果で北海道や東北の人気が上昇傾向だが、オリエンタルランド <4661> 運営で開業15周年を迎える東京ディズニーシーや、同じく開業15周年のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)の記念イベントの効果でこれらテーマパークに絡む旅行需要も旺盛としている。加えて火山活動が収まった箱根方面が復調し、大河ドラマの「真田丸」の影響で、信州への人気も上昇している。

●海外旅行ではHISやニッコウトラベルなどに注目

 個別では海外旅行取扱高で2位を誇るHIS、60歳以上を中心に熟年向け海外パッケージ旅行の企画販売で強みを持つニッコウトラベル <9373> [東証2]や同じく成熟旅行者層向けの海外旅行企画販売を展開するユーラシア旅行社 <9376> [JQ]が注目されよう。

 また、国際線首位のJAL <9201> や国内線首位・国際線2位のANAホールディングス <9202> にも注目だ。JALがオーストラリアのカンタス航空グループと三菱商事 <8058> と共同出資で設立したジェットスター・ジャパンを、ANAはバニラ・エアとピーチをそれぞれ傘下に持ちLCC(格安航空会社)にも注力しており、傘下航空会社を含めた需要増が期待される。

●KNT-CTや格安旅行の比較でオープンドアとアドベンチャー

 一方、傘下に近畿日本ツーリストとクラブツーリズムを持つ旅行業界2位のKNT-CTホールディングス <9726> は国内旅行に強みを有し、パッケージツアーの販売動向が注目される。

 格安旅行の比較サイト「トラベルコちゃん」を運営するオープンドア <3926> [東証M]は国内ダイナミックパッケージ(航空券+ホテル)比較サービスで4月4日から、新たにスターフライヤーのダイナミックパッケージとの連携を開始し、航空会社の選択肢が合計6社に拡大、サービスの充実に取り組んでいる効果が期待される。格安航空券・飛行機・LCCの予約・比較ではskyticket(スカイチケット)を運営するアドベンチャー <6030> [東証M]が直近の16年2月(2月1日~29日)の航空券取扱高が前年同月比で75%増を達成しており、GWでも高い伸びが予想される。
 

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均