
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
10日の東京株式市場は大きく買い優勢に傾き、日経平均株価は急反騰が見込まれる。3000円前後の記録的な上昇も視野に入る。前日は欧州時間まではリスクオフ一色で、ドイツの主要株価指数であるDAXやフランスのCAC40など軒並み3%以上の下落を示した。しかし、米国株市場では午後の取引で一変し、主要株価3指数がいずれも暴騰した。トランプ米大統領が自身のSNSで同日に発動した相互関税を一部の国や地域で90日間停止することを表明、これが大きく好感される形となり、NYダウは3000ドル近い上昇で1日の上げ幅としては過去最高を記録している。米国の高関税政策発動に伴う世界経済への影響が警戒されていたが、とりあえずそのリスクが遠のいたとの見方が投資家心理を強気に傾けた。ダウは前日まで4営業日続落で合計約4600ドルの下落をみせていたが、その65%程度を一気に取り戻す格好となっている。マグニフィセントセブンをはじめハイテク株への買いの勢いは一段と強く、ナスダック総合株価指数の上昇率は12%を超え、ダウのそれを大きく上回った。また米長期金利もここ急上昇していたが、この日は急速に水準を切り下げて足もと4.3%台で推移している。米国株の急反騰を受け、きょうの東京市場も幅広い銘柄に買いが波及し、日経平均やTOPIXを押し上げそうだ。空売り筋のアンワインドの動きも絡め、3万4000円台後半から3万5000円をうかがうような場面もあり得る。外国為替市場ではリスクオフの反動でドルが買い戻され1ドル=147円台後半まで円安が進んでおり、これも自動車やハイテク株などを中心に追い風材料となりそうだ。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比2962ドル86セント高の4万608ドル45セントと大幅反発。ナスダック総合株価指数は同1857.059ポイント高の1万7124.972だった。
日程面では、きょうは3月の企業物価指数、3月の貸出・預金動向、3月のオフィス空室率など。海外では3月の中国消費者物価指数(CPI)、3月の中国生産者物価指数(PPI)、フィリピン中央銀行の政策金利発表、3月の米CPI、週間の米新規失業保険申請件数、3月の米財政収支などが注目される。なお、インド市場は休場。
出所:
MINKABU PRESS