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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~政策期待を背景に下値の堅さを見極め

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:政策期待を背景に下値の堅さを見極め
■外資系証券の注文動向:差し引き430万株の売り越し
■前場の注目材料:FRB議長、追加利上げは慎重に判断


■政策期待を背景に下値の堅さを見極め

30日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が続きそうである。29日の米国市場ではNYダウが3日続伸となった。原油相場の下落を受けて売りが先行したが、3月消費者信頼感指数が予想を上振れたことを受けて下げ幅を縮小。その後、イエレンFRB議長の講演では、利上げに慎重な見方を示したことが材料視され、引けにかけて上げ幅を拡大させていた。追加利上げ観測の後退によって円相場は1ドル112円75銭辺りと、前日から円高に振れており、シカゴ日経225先物清算値は大阪比80円安の17020円だった。

米利上げ観測の後退や原油相場の下落、円高といった流れの中、売り優勢の展開になろう。また、米国では週末の雇用統計の前哨戦となるADP雇用報告の発表が控えており、これを見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすく、上値を積極的に買い上がる流れには向かいづらいところ。一方で2016年度予算が成立し、安倍首相は前倒し執行を指示したほか、5月に開く主要国首脳会議に合わせ、経済対策を本格検討する。政策期待を背景に下値の堅さも意識されやすいだろう。

日経平均は価格帯別出来高で積み上がりをみせている16900-17100円レベルでのこう着が続いている。本日はイースターマンデー明けで海外勢の資金流入が増えるとみられるが、海外勢の売りが継続している需給状況の中で、踏ん張りをみせられるかが注目される。同水準での上値の重さよりも、レンジ上限での底堅さが意識される局面においては、日経平均は足元のもち合いレンジ突破が意識されてくる。



(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き430万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1720万株、買い1290万株、差し引き430万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

3月23日(水):250万株の売り越し
3月24日(木):460万株の売り越し
3月25日(金):80万株の売り越し
3月28日(月):350万株の買い越し
3月29日(火):220万株の売り越し

■前場の注目材料

・NYダウ上昇(17633.11、+97.72)NY原油(38.28、-1.11)
・マザーズ指数1000pt回復、個人の物色意欲旺盛
・FRB議長、追加利上げは慎重に判断
・東京都、五輪に向け英語能力向上へ独自教材


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 2月鉱工業生産指数速報値(前月比予想:-5.9%、1月:+3.7%)


<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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