【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東ガス、大日本住友、日本オラクル、鹿島
東ガス <日足> 「株探」多機能チャートより
東京ガス<9531>が3日続伸、3月第2週以降は調整局面にあったが売り物をこなし出直り鮮明、25日移動平均線上に浮上してきた。4月から始まる電力小売りの全面自由化を目前に控えており、改めて関連有力株としてマークされている。完全自由化では、対象がこれまで聖域とされていた一般家庭や小規模店舗にまで拡大されることで、その囲い込み合戦が熾烈化している。そのなか同社は、営業ターゲットとなる首都圏で断トツの個人顧客基盤を持つ。都内だけでおよそ1000万件以上の契約数を擁しており、ガスの販売と抱き合わせによる、電力の割引メニューは電力会社にとっても脅威だ。一方、来年4月に都市ガス事業の小売全面自由化が予定されていることは、同社にネガティブ材料だが、それを差し引いてもPER10倍の時価は割安感が強く、水準訂正余地が着目されている。
■大日本住友製薬 <4506> 1,329円 +22 円 (+1.7%) 本日終値
大日本住友製薬<4506>、エーザイ<4523>、小野薬品工業<4528>、科研製薬<4521>、持田製薬<4534>など医薬品株が買いを集めている。医薬品セクターは業種別騰落率でも値上がり上位に食い込んでいる。23日付の日本経済新聞が「三井物産は新薬開発受託業務大手の米クインタイルズ社などと組み、総額1000億円規模の新薬ファンドを立ち上げた。製薬会社の新薬開発にかかる臨床試験(治験)費用の一部を支援する」と報じた。これが製薬会社の新薬開発に伴う資金負担を緩和し、開発を後押しするとの見方が物色人気を後押ししている。また、この流れはバイオ関連全般にも波及、創薬ベンチャーのそーせいグループ<4565>が大幅高に買われているほか、大日住薬と連携するヘリオス<4593>や小野薬を筆頭株主とするカルナバイオサイエンス<4572>なども買い優勢の展開にある。
■日本オラクル <4716> 6,250円 +100 円 (+1.6%) 本日終値
日本オラクル<4716>が続伸。大和証券は22日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げた。目標株価は5580円から6590円に見直した。「クラウド事業者として長期成長フェイズへ」と指摘している。第3四半期(15年12月~16年2月)は連結営業利益が前年同期比で約20%増と好調だった。業績のけん引役はデータベースを中心とする「新規ライセンスおよびクラウド」で同42%の増収を達成。特に、クラウドは「損保ジャパン向けなど大手企業による採用が既に拡大しており、今後5~10年にわたる業績拡大の牽引車になろう」とみている。
■鹿島 <1812> 738円 +11 円 (+1.5%) 本日終値
国内大手証券の建設セクターのリポートでは、きのう場中に鹿島<1812>が業績予想の上方修正を発表した事を受け、事業環境は変わらず良好で、ゼネコン他社も鹿島ほどではなくても営業利益は会社予想を上振れて推移すると指摘。株式市場では、17年3月期の期初の会社予想が保守的になる可能性を考慮する見方が多いものの、理解が進んでいる面はあるとみて、通期決算で保守的な業績予想が発表されてもサプライズではなく、悪材料の出尽くしととらえられる可能性もあると解説。大手ゼネコン4社(大成建設<1801>、大林組<1802>、清水建設<1803>、鹿島)のレーティング「バイ」を継続している。
■南海電気鉄道 <9044> 620円 +6 円 (+1.0%) 本日終値
南海電気鉄道<9044>がしっかり。午後2時ごろ、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を2181億円から2186億円(前期比3.6%増)へ、営業利益を298億円から315億円(同12.0%増)へ上方修正したことが好材料視されている。運輸業で空港関連輸送が好調に推移していることに加えて、燃料価格の下落や建設業における利益率の改善が寄与した。なお、最終利益は、沿線に保有する賃貸物件(南海堺東ビル)や連結子会社が保有する一部の固定資産について減損損失を計上したことから、154億円から119億円(同31.9%減)へ下方修正した。また同時に、従来5円を予定していた期末一括配当を6円(前期6円)に引き上げると発表しており、これも好感されているようだ。
■TOTO <5332> 3,590円 +30 円 (+0.8%) 本日終値
ゴールドマン・サックス証券の住宅・建築資材セクターのリポートでは、水道、トイレ、給湯機器等の高品質・高付加価値製品は先進国で普及率が高いため、先進国での売上成長余地は限られると指摘。生活様式や文化・気候の違いに影響を受けない普遍性の高い住宅・建築設備は、海外での売上拡大が比較的容易とみて、特に新興国の生活水準向上を背景とした売上拡大、高い技術力やブランド構築に時間を必要とする製品群(衛生陶器、給湯器)に注目したいと解説。個別ではTOTO<5332>と三和ホールディングス<5929>をレーティング「買い」で推奨している。
■ライトオン <7445> 1,813円 +13 円 (+0.7%) 本日終値
ライトオン<7445>が続伸し連日の昨年来高値更新となっている。22日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比17.9%増と14カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。前年に比べ暖かい日が多かったことから、前倒しで投入していた春物が好調に推移したことが要因。また、うるう年で休日が1日多かったことも寄与した。なお、全社売上高は同20.4%増だった。
■高砂熱学工業 <1969> 1,509円 +4 円 (+0.3%) 本日終値
22日、高砂熱 <1969> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.07%にあたる79万9000株(金額で12億0249万円)を上限に、23日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は22日終値の1505円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
■三井不動産 <8801> 2,797.5円 +7 円 (+0.3%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>など大手をはじめ不動産株が買われている。国土交通省が22日発表した2016年1月1日時点の公示地価は全国平均で前年比0.1%上昇し、08年以来8年ぶりの上昇を示した。緩和マネーの浸透に加え、大都市圏で訪日客急増に伴う商業施設やホテル需要の高まりなどが地価上昇に貢献した。不動産セクターは日銀のマイナス金利導入に伴い、有利子負担の低減や調達金利の急低下、住宅ローン金利の引き下げなど環境面で追い風が強まっていたが、大都市圏地価の上昇を受けて改めて見直し買いが優勢となっている。
■エレマテック <2715> 2,150円 -161 円 (-7.0%) 本日終値 東証1部 下落率3位
エレマテック<2715>が急落。同社はきのう引け後、16年3月期連結業績予想の下方修正と配当予想の減額を発表。売上高は従来予想の2400億円から2160億円(前期比18.8%増)に、営業利益は81億円から66億円(同10.5%減)に引き下げており、年間配当予想を同88円から75円に減額した。会社側では、急激な市場環境の変化により、スマートフォン向けデバイスとディスプレー関連部材の販売が低調に推移したことを修正要因として挙げている。
株探ニュース