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2016年03月10日20時00分

【特集】さよならサイドミラー、解禁秒読み「ミラーレス車」で期待の株 <株探トップ特集>

ドアミラーレスを実現したトヨタのコンセプトカー「レクサス LF-FC」

―国際基準改定受け、国交省6月に保安基準改正方針―

「ミラーレス」と聞くとデジタル一眼カメラを思い浮かべる人も多いと思うが、いま各社で開発が進められ、市場の話題に上り始めているのが、自動車のミラーレス化だ。サイドミラー(ドアミラー)などのミラー類の代わりにカメラとモニターで安全を確認する仕組みで、現在は法的な制約もあり認められていないが、解禁が間近とされており、一気に普及が進む可能性も高い。今後、これに関する話題も増えてくるとみられ、今から注目しておきたい。

●カメラとモニターでミラーを代替

 自動車後部の死角を視認しやすくするため、バックカメラを搭載する自動車が増えている。しかし、サイドミラーに関しては、国土交通省の定める「道路運送車両の保安基準」で、鏡の位置や面積、視認できる範囲などが定められており、これまでカメラなどによる代替は認められていなかった。

 こうした状況に変化が起こったのは、昨年6月にスイス・ジュネーブで開催された「国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」で、自動車のミラーに関する国際基準が改定され、今年6月からはミラーの機能をカメラとモニターで代用可能とすることが決定されたことがきっかけ。これを受けて、国土交通省でも保安基準を6月にも改正する方針で、サイドミラーやバックミラーをすべてカメラとモニターで代替した「ミラーレス車」が公道を走れるようになる。

●JVCケンウなどがミラーレスシステムを開発

 既にこうした「ミラーレス車」解禁の動きに対応している企業も多い。トヨタ <7203> では、サイドミラーレスを実現したコンセプトカーをモーターショーなどに出展している。また、日産自 <7201> は、ルームミラーのカメラ併用(スマートルームミラー)や、ドア横のブラインドスポットカメラの設置などを手掛けており、サイドミラーのミラーレス化にも対応は早いとみられている。

 それ以上に注目されるのが、電機メーカーからのアプローチだろう。

 パナソニック <6752> では、ドアミラーの代替となる車載カメラの新システムを開発している。デジタルカメラやテレビなどで培った高速オートフォーカス技術や、明暗差が大きい場面の明暗部のどちらも精細に表示する技術などを応用。現在、同社の拠点や自動車メーカーの試験コースで実車テストを進めている。

 また、JVCケンウ <6632> も、ドアミラーの代わりにカメラを取り付け、運転席の左右のモニターで確認するシステムを組み込んだデジタルコックピットシステムを1月に米ラスベガスで開催された「2016 International CES」に出展した。さらに、電機メーカーではないが、デンソー <6902> では、画像処理技術に強みを持つモルフォ <3653> [東証M]と組んでミラーレスのシステムを開発している。

 このほか、Tホライゾン <6629> [JQ]では、傘下のグラフインが「安全運転支援装置向けカメラ映像再現ユニット」などを手掛けており、関連銘柄としての注目度も高まっているところだ。

●ザインなどにも活躍余地高まる

 サイドミラーをカメラとモニターに置き換えることで期待されているのは、死角を現状よりも少なくすることができるということだ。また、サイドミラーがなくなることで空気抵抗が減り、その分、燃費が向上するともいわれている。

 一方で、暗い場所での見えやすさの確保や、故障への不安などを指摘する声もある。こうした点への対応力では電機メーカーが上回ることから、各社の動きが注目されているのだが、上記のほかにも特殊ガラスを手掛ける岡本硝子 <7746> [JQ]や、高速情報伝送インターフェース技術に強みを持つザイン <6769> [JQ]などが活躍しそうだ。


株探ニュース

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