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【特集】清水洋介氏【日経平均661円高! 今後の相場を読む】(2) <相場観特集>

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 2日の東京株式市場で、日経平均株価終値は、前日比661円04銭高の1万6746円55銭と大幅続伸した。前日の米株式市場でNYダウ平均株価が前日比348ドル高と急伸したのに加え、外国為替市場で一時、1ドル=114円台前半へと急速に円安・ドル高が進行したことが好感され、輸出関連の主力銘柄を中心に全面高商状となった。株価位置が大きく上昇したことで、株式相場がどう推移するのか、第一線の市場関係者に今後の見通しを聞いた。

●「一段高視野で金利低下メリット株に妙味」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 東京株式市場は今後、底打ちから反発基調を強めそうだ。日経平均株価は3月末に1万7500円、4月末のゴールデン・ウイーク前後に向け1万8000円を視野に入れた展開も期待できるとみている。

 日本株は日経平均採用銘柄の平均PBRが一時1倍前後にまで売られるなどファンダメンタルズ面では売られ過ぎの水準となった。日銀によるマイナス金利政策も、銀行の収益悪化などが叫ばれるが、景気回復に与えるプラスが軽視されている。

 年初からの下げを主導したのは、ヘッジファンドや産油国の売りだろう。ただ、特にヘッジファンドやそれに追随した投機筋の動きはモメンタム(勢い)投資の側面があり、今後は一転売りからの買い戻しが見込めるだろう。

 3月は、欧州中央銀行(ECB)理事会や日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)などのイベントが続くが、金融当局によるさほど大きな動きは予想してはいない。ただ、投機筋は金融当局の動きを警戒し、売りポジションの整理を進めると思う。

 今後の反騰局面では、「金利低下メリット株」が相場のテーマとして注目できるだろう。金利低下は三井不 <8801> など有利子負債の大きな不動産株にはメリットに働く。また、リート(不動産投信)市場も人気を呼びそうで、リート組成に絡むいちごHD <2337> なども投資妙味があるだろう。

 高配当利回り銘柄にも注目したい。みずほFG <8411> などメガバンクは利回り面で魅力だ。三菱商 <8058> や丸紅 <8002> など大手商社も高配当利回り株として再評価余地がありそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」や「ストラテジスト」の役割で、テレビのレギュラー出演や・雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとして日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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